「昔話をするより新たな試みを」
現在は40代、50代のベテラン社会人の方々でも
若かった頃には先輩や上司から
「最近の若いやつは・・・」 と説教されたり
「我々が若い時はこんなに大変だった」
という苦労話を聞かされた経験があるのではないでしょうか?
自分が若い時は
そういう年輩社員の話をわずらわしく感じていたのに
自分がその歳になってみたら
同じような事を言っていると気がついて
「あー、いかん。いかん。」
と思ったりします。
人材紹介業界も、昔とは大きく変わりました。
それと共に、人材紹介コンサルタントの仕事のやり方も
大きく変わってきました。
私の記憶では
20年前の1997年度の国内人材紹介業の市場規模は450億円で
事業所数は全国で300事業所程度だったと思います。
それが今は、市場規模は3000億円程度と大きくなりましたが
事業所数は20000事業所近いでしょう?
市場規模は6.7倍にしかなっていませんが
競争は67倍になっているという単純計算になりますから
人材紹介コンサルタントのビジネス環境も
「競争が10倍厳しくなった」 と言っても良いでしょう。
従って、年輩社員の過去の苦労話は
現状にそぐわない事も多いと思います。
若い人に 「昔はこうだった」 という話をしても
ビジネス環境が大きく変われば
あまり意味がありません。
例えば、新規開拓営業をする場合に
電話を数多くかけてアポイントを取るという手法は
昔も今もあります。
しかし、人材紹介会社が激増した現在では
アポイントを取る難易度は確実に高くなっています。
そこで今では、昔とは違う新規開拓手法を考えないといけません。
数多くやるだけでなく、頭を使う必要があります。
具体的には、大きく二つの手法があるかもしれませんね。
1 一つは、独自の強みやサービスなどを明確にして市場に認知したいただき
アウトバウンドではなくインバウンド需要を刺激して
お客様からのお問い合わせを増やす事です。
2 もう一つは、新規開拓という労力と根性の必要な面倒くさい仕事は
外部の専門企業にアウトソースする事です。アライアンスですね。
このような新たな試みをせずに
「昔は一日にこれくらいアポイントが取れて当り前だったぞ」
などという話を若い人にしても
彼ら・彼女らのモチベーションは下がるだけです。
仕事においては精神面も大切ですが
これだけ時代が変わって合理的な手段が浸透した現在では
根性論だけで問題解決できるほど単純ではありません。
過去の経験や事例は大切なナレッジですが
違う時代の人にそのまま当てはめる事はできません。
ベテラン社員の皆さんは
後輩の指導に際して
その点に注意するべきだと思います。
その一方、最近この仕事を始めた若い方々の中には
10年・20年前の人材紹介コンサルタントがどのように仕事をしていたのか?
聞きたいという方もいらっしゃいます。
そこで聞く話から
今でも通じるエッセンスを得られる事もあるでしょう。
まさに 「温故知新」 ですね。
人材紹介コンサルタントに限らず
その時代に合ったやり方を創意工夫し
具体的なカタチにして実行する事が求められています。
その際には、過去の成功事例や失敗事例も含めて
効率的に活用していく事が大切ではないでしょうか?
私も含めてベテラン社員の皆さんは
ただのわずらわしい説教オヤジにならないように気をつけましょう。
「アノネ
がんばんなくても
いいいからさ
具体的に
動くことだね」 みつを
合掌。