「厳しい取引条件交渉だけど」
先日、20代の人材紹介コンサルタントAさんにお会いしました。
Aさん:「最近、新規クライアントとの取引条件の交渉が
難航して苦労したんですよ。」
私:「そうですか、どんな交渉ですか?
紹介FEEに関する交渉ですか?」
Aさん:「はい、FEEと返金規定です。
うちの会社の取引基準があるんですが
『その条件では取引できない』 と言われまして・・・。
持ち帰って上司に話をしたのですが
上司からは、『お前の交渉力が足りない』
と言われてしまいました。」
私:「なるほど、それはなかなか厳しい状況ですね。」
Aさん:「そうなんです。
結構な優良企業ですから
アポイントもなかなか取れない状況だったんです。
そこで、やっと求人もいただけそうになったので
私は、『少々条件が厳しくてもやりたい!!』
という気持ちだったんですが・・・。」
私:「最終的にはどうなったんですか?
まだ交渉中ですか?」
Aさん:「いいえ、何とか上司に認めてもらって
先方が指定する条件で取引ができるようになりました。」
私:「そうですか、それは良かったじゃないですか。」
Aさん:「はい、実は先輩のBさんに相談したんです。
そしたら
『結局最後は自分が覚悟を持ってやるかどうかだよ。
上司がNOと言ったからできないというのは消極的な言い訳だ。
自分は必ずこの企業に決めます。
こういう理由でFEEが安くてもやる価値がある企業です。
という説明を強い意志を持ってできれば
余程ひどい条件でない限り
最後は上司はNOとは言わないよ』
と言われまして、なるほどと思いました。
それで上司に覚悟して説明したら理解してもらえたんです。」
私:「なるほど、先輩のBさんはさすがですね。
確かに契約条件は重要ですが
取引しなければ何も始まりませんからね。
必ず決めるとコミットして
実績を認められて信頼していただければ
クライアントもいつかFEEを上げてくれますよ。」
Aさん:「はい、もっと積極的に意志を持って営業するべきだと学びました。」
人材紹介会社にとって、クライアントとの契約条件は重要です。
大手人材紹介会社などであれば
「これより悪い条件ではやるな!!」
という厳しいルールを設けている企業もあります。
新人の方々にとっては
折角、開拓した数少ない企業ですから
条件が少し悪くてもやりたいという気持ちがあるでしょう。
条件が悪くても取引する価値がある企業なのか?
をしっかり自分なりに考え
その上で上司の承諾を得るために
どのような説明するのかも重要な営業プロセスだと思います。
Bさんの言う通り
余程のひどい条件でなければ
基本的に優良な取引企業を増やす事はポジティブです。
それでも上司が一旦突き返すのは
担当コンサルタントの本気度を試している部分もあるでしょう。
本当にギリギリの交渉をしたのか?
本当に成果をコミットできるのか?
という点です。
人材紹介業の取引条件は
FEEの高さや返金規定、支払い期日といった部分に限られ
あまりバリエーションが多くありません。
しかし、このような条件交渉も簡単に妥協せずしっかり行う事が
クライアントとのパートナーシップを構築する上でも
大切なプロセスだと考えます。
その意味でも、先輩コンサルタントBさんのアドバイスは的確ですね。
「やれなかった
やらなかった
どっちかな」 みつを
合掌。