「組織風土こそ企業の生命線」
先日、ある人材紹介会社の社長さんから
「組織風土を変えるにはどうしたらいいか?」
というご相談を受けました。
その会社は業績も順調に伸びており
社内の雰囲気も良く
何も問題が無いように見えます。
しかし、社長さんは
「幾つかの問題がある」 とおっしゃっています。
・社員一人一人は前向きで活発なのだが
会議などで新しい意見を求めても
なかなか出てこない。
・プレーヤーとしては優秀なコンサルタントが多いが
組織としての戦略を考える人間が少ない。
(考える力がある社員はいるが、率先してやりたがらない)
・社員同士は仲が良いが緊張感に欠ける。
マネジメントがあまり機能していない。
色々と詳しくお話を伺いましたので
その原因となるものは何となく感じたのですが
組織風土というものは
様々な要因が絡むので
急に変えるのは難しいものですね。
その会社が現状に至った歴史があります。
その歴史の中で風土は作られます。
従って、そこに至った時間と同じように
変化にもまた時間がかかります。
企業の状況によっては
その状態を一気に変えなければならない事もあります。
このまま放っておいたら倒産してしまうとか
そんな危機的状況であれば
考えている余裕は無いからです。
業績も好調で表面的にうまく行っている場合は
何かの問題に気がついていても
先送りしてしまう事が多いのではないでしょうか?
最近のように景気が良い時や
日々の仕事が忙しい時などは
特にそういう傾向があると思います。
しかし、急に景気が悪くなり
業績が悪化したり、組織的にボロが出たりすると
これまで潜在化していた問題が
一気に顕在化して露呈するものです。
ご相談に来られた社長さんは
その事をよく理解されているのだろうと感じました。
今回のご相談のような特徴を持つ会社は
この人材紹介業界には多いと思います。
一部の大手企業を除き
個人力を拠り所とする会社が多いからではないでしょうか?
組織やマネジメントに関心がない人に
関心を持てと言っても難しいでしょう。
そうなった原因は、個人の性格にもありますが
会社がそのように育ててしまったケースも多いです。
そんな中で、風土改革に取り組むには
根気強くボトムアップで意見を吸い上げたり
外部から刺激になる人材を採用したり
色々な手段はあります。
しかし、いずれにしても時間はかかります。
悪い部分だけを見るのではなく
良い部分にも着目し
それが失われないようにする努力も必要だと思います。
本当に組織風土づくりというものは根気のいる仕事ですね。
それでも、この組織風土づくりを大切にする事は
会社の基盤を大変強いものにするだろうと考えます。
人の採用・教育を成功させるためにも
この 「組織風土」 と言う基盤が不可欠だからです。
市場の変化に対応する力も
事業戦略の実行力も
その土台があってこそ実現できます。
「組織風土」 は、職場として働きやすいかどうかだけでなく
「企業の生命線」 と言っても過言ではありません。
「制度より風土」
昔の上司の口癖ですが、本当にそうだと思います。
皆さんの会社はいかがでしょうか?
「花を支える枝
枝を支える幹
幹を支える根
根はみえねんだなあ」 みつを
合掌。