「バカを紹介してくれ?」
先日、ある人材紹介会社の社長さんから求人のご依頼を受けました。
社長:「武谷(たけや)さん、うちは年収1000万円以上の求人しかやりません。」
私:「エグゼクティブと言うか、CxO求人が多いんですね?」
社長:「そうですね。
そういう人材を年間100人以上決めてます。
早く300人決められるようにしたいです。」
私:「凄いですね。
それで人材紹介コンサルタントを増員したいんですね?」
社長:「はい。
でも、人材紹介の経験とか必要ないですから。」
私:「ほー、一から育てるんですか?」
社長:「はい。
新卒もどんどん採用してますし
入社2~3年でも立派に戦力になっているヤツもいますよ。」
私:「へー、大したもんですね。」
社長:「だから、経験とか何でもいいですから
とにかく 『バカ』 を紹介してください。」
私:「え!! 『バカ』 ですか?」
社長:「そうです。
何でもいいから、何か一つの事にこだわりを持って
その目的を達成するために
バカのように努力できるヤツですよ。」
私:「なるほど。
そういう意味の 『バカ』 ですか?」
社長:「はい。
うちの会社に合うのは、そういうヤツです。
目的は何でもいいんですよ。
『とにかく格好良くなりたい』 とか言ってるヤツもいますし
『自分の周りの人を全員笑顔にしたい』 と言ってるヤツもいます。」
私:「はっはー、そうですか?
仕事と直接関係ない目的でもいいんですね?」
社長:「はい。
ただ、本人の中では無関係じゃないと思いますけどね。
うちに入社するとすごく成長しますから。
とにかく、何か一つの事に向かって純粋に努力できるヤツですよ。」
私:「うーん、難しい採用をしてますね。
最近、そんな 『バカ』 って珍しくないですか?」
社長:「はい。
珍しいですよ。
少ないですよ。
だから、こうしてお願いに来たんですよ。」
私:「なるほど。
わかりました。
他のどんな求人よりも非常に難しいと思いますが
何とか 『バカ』 を探してみます。」
社長:「はい。
あまり厳しく絞り過ぎないで紹介してください。」
私:「わかりました。
この人はひょっとして 『バカ』 かもしれないと思ったら
ご紹介させていただきます。」
いやー、非常に難しい求人を引き受けてしまいました。
『バカ』 とか言ってますが
実は、非常に優秀で、且つ
強い情熱を持っている希少な人材を探しているわけですね。
「おりこうさん」 はたくさんいますけど
『バカ』 はなかなかいませんからね。
2~3年以内に
クライアントの社長さんやエグゼクティブ人材と
対等に話せるようになるポテンシャルを持った
超優秀で心身ともに強靭な 『バカ』 を求めているわけです。
うーん、思い浮かぶのは
既に独立した人ばかりだな。
そうだ、 『バカ』 の居場所は 『バカ』 に聞くしかないですね。
『バカ』 は 『バカ』 が好きで
自然と集まりますからね。
「アナタの主人公は
アナタなんだよなあ」 みつを
合掌。