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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「本当に使えるデータベースとは?」

「本当に使えるデータベースとは?」

多くの人材紹介コンサルタントの方々から

「うちの会社はデータやレポートなどの入力作業が多くて大変なんですよ」

というお話を頻繁にお伺いするのですが

逆に、そのような作業が減ったというお話はお伺いしません。

人材紹介業に限った話ではないでしょうが

組織マネジメントにおいて

作業を増やす事は簡単なのですが

作業を止める・減らすという事は

大変難しい事だと思います。

一歩踏み込んで考えてみますと

ビジネスにおいて

「データベースの価値をどう捉えるのか?」

というテーマがあります。

人材紹介業において考えますと

クライアント情報やキャンディデート情報を大量に蓄積して

それを業績向上に役立てるという考え方です。

しかし、実際にそのデータベースはどれくらい活用されているのでしょうか?

膨大な量のデータがあるのとないのとでは

業績にどの程度の差が出るのでしょうか?

詳細なデータを入力する手間や労力に比例して

業績が確実に上がると言い切れるのでしょうか?

大手人材紹介会社の場合は

大量な求人情報と登録者情報を保有しています。

RA(リクルーティング・アドバイザー)とCA(キャリア・アドバイザー)との

分業体制を敷いており、そのRAやCAの人数も大変多いです。

本社以外に全国に数多くの拠点網も保有しています。

このような大手人材紹介会社の場合は

機会損失を少なくしてスケールメリットやマッチング機会を最大化するために

膨大なデータを一元管理・共有してマッチングできるシステムが不可欠です。

求人に適合する登録者を検索するためにも

登録者に適合する求人を検索するためにも

データの一元化と蓄積や的確なマッチングシステムが業績を大きく左右します。

しかし、小規模な人材紹介会社では

データを詳細に入力し蓄積する作業より

人材コンサルタント同士の日常のアナログな情報共有によって

仕事を進めた方が生産性が高いケースが多いのではないでしょうか?

システム入力したり検索する暇があったら

同僚のコンサルタントに聞いた方が早い事が多いわけです。

例えば、あるブティック型の人材紹介会社では

データベースは簡素で入力に手間がかからないシステムを運用しており

クライアントとキャンディデートとの面接記録なども簡単な履歴しか入力せず

詳細な内容は残していないそうです。

これには、人材紹介コンサルタントの

作業負担を軽減するだけではなく

他の狙いもあるとおっしゃいます。

それは、クライアントやキャンディデートの状況や実際に何を話したのかを

人材コンサルタント同士が直接話して確認するようになり

システムだけに頼る事なく

社内で濃密なコミュニケーションを取る習慣がつくとの事です。

それによって、未熟なコンサルタントが

スキルの高いコンサルタントから学ぶ機会が増えて

自然と成長する事につながっているそうです。

なるほどと考えさせられます。

データを収集・蓄積する事が目的になってしまっては本末転倒です。

データベースシステムに振り回されて仕事をするようになってしまい

本質的な社内コミュニケーションが薄まってしまう事は危険だと感じます。

大手と中小とでは事情が大きく異なりますが

この仕事におけるデータベースの意味を

根本的に考え直してみる事も必要かもしれません。

「いまから

 ここから」                                     みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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