「『おせっかい』 な人も必要？」

ある人材紹介会社のマネージャーをやっているＡさんとお会いしました。

Ａさん：「人をマネジメントをするのは
　　　　　何年やっても大変だと思いますね。
　　　　　でも、うちのチームにはＢ君というコンサルタントがいまして
　　　　　一言で言うと 『おせっかい』 なんですが
　　　　　彼にすごく助けられています。」

私：「へー、そうなんですか。
　　　具体的にはどんな事ですか？」

Ａさん：「うちのチームに入ってきた新人で
　　　　　仕事のキャッチアップが遅い人がいるんです。
　　　　　指導に苦労しているんですが
　　　　　Ｂ君が何かと世話を焼いてくれるんです。
　　　　　うちの会社は優しくて、おとなしいタイプの社員が多いせいか
　　　　　人に厳しく言える人が少ないんです。
　　　　　そうでなくても普通は
　　　　　誰でも余計な事を言って嫌われたくないですし
　　　　　自分の仕事で精一杯な時に
　　　　　わざわざそんな事をしたくないと思う人が大半ですよね？
　　　　　でも、Ｂ君はそんな事は関係なく
　　　　　指摘すべき点はちゃんとしてくれます。
　　　　　自分の損得など考えてないんです。」

私：「なるほど。
　　　確かに、人材紹介コンサルタントの仕事は
　　　自分の事は自分でやるという面が強いですしね。
　　　マネージャーでもないなら
　　　多くの人は余計な事に
　　　労力をかけたくないでしょう。」

Ａさん：「そうなんです。
　　　　　新人がちゃんとできていないのを
　　　　　周囲も何となくわかっていても
　　　　　最終的にはマネージャーが指導してくれるだろうと
　　　　　見て見ぬふりと言いますか
　　　　　悪気はなくてもそうなってしまっているケースが
　　　　　多いのではないでしょうか？」

私：「Ｂ君は、見て見ぬふりをせず
　　　ちゃんと指摘してくれるんですね？」

Ａさん：「そうなんです。
　　　　　私も席にいない事が多いですから
　　　　　常に見ているわけには行きません。
　　　　　でも、Ｂ君が見ていてくれていると思うと安心できます。
　　　　　更に、周囲もＢ君に影響されて
　　　　　段々と他のメンバーに関心を持つようになった気がします。
　　　　　Ｂ君は、つい厳しく言ってしまう事も多くて
　　　　　『またやってしまいました』　と気にしますが
　　　　　私は多いに結構だと思っています。」

私：「それは心強いですね。
　　　助け合うだけではなく
　　　できていない点をお互いに指摘し合えれば
　　　最強の組織ですね。」

Ａさん：「はい、おっしゃる通りです。
　　　　　もちろん、伝え方は気をつけないといけないでしょうが
　　　　　それを気にしすぎて何も言わない方が良くないと思います。
　　　　　信頼関係があれば、時には喧嘩してもいいと思います。」

人材紹介コンサルタントの仕事は

特に、一気通貫型（両面型）の場合

ほとんど一人で完結できるケースもあります。

隣の人が何をやっていても

我関せずで仕事をする事もできます。

「マネージャーでもないのに余計な事はしたくない」

という考え方もわかります。

それでも、組織でやってるわけですから

独立して一人でやっているのとは違います。

組織力をどう伸ばすのかを

マネージャーだけではなくメンバーも考える事が

結果的に自分や会社の業績にも大きな影響を与えます。

Ｂ君は、元々世話好きで面倒見の良い性格ですが

こういう功労者が馬鹿を見たり損をする事がないように

マネージャーはちゃんと見守ってあげる必要がありますね。

Ａさんは、メンバーを大変よく見ていらっしゃるので

素晴らしいと思いました。

皆さんの会社にも、Ｂ君のような人がいませんか？

いるとすれば、貴重な人ですよね？

「自分にも協力できる」　と思う事があれば

是非、手伝ってあげてください。

マネージャーだけではなく

皆がお互いに関心を持って仕事をするという事は

大変重要な事だと、あらためて考えさせられました。

「やれなかった
　やらなかった
　どっちかな」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　みつを

合掌。