「ITの便利さと不便さ」
新入社員の皆さん、ご入社、おめでとうございます!!
「仕事は楽しく、数字はシビアに」 頑張ってください。
ところで、この30年程度で人材紹介コンサルタントの
仕事のやり方は大きく変わりました。
ただ、クライアントとキャンディデートとをマッチングする
というビジネスの根幹は何も変わりません。
しかし、ITの進化・浸透と共に
我々の仕事のやり方は大きく変化しています。
昔、キャンディデートからいただく応募書類は全て 「紙」 でした。
履歴書やキャリアシートはもちろん手書きで写真付き
職務経歴書も、ワープロを持っている人が少なかったので
手書きが圧倒的に多かったです。
携帯電話も普及していなかったので
キャンディデートに連絡する時は
ご自宅か勤務先に電話をするのが普通でした。
ご自宅に電話してご不在の場合は
奥様やご両親に伝言をお願いする事が多かったです。
勤務先にお電話する場合は、非常に気を遣いましたよ。
もちろん、事前にご本人の了解が必要でしたよ。
当然、勤務先には個人名で電話するのですが
「大学時代の友人の●●です」
などと偽って、つないでいただいておりました。
とにかく、リアルタイムに連絡を取る事が難しかったのです。
キャンディデートがなかなかつかまらず緊急の場合は
電報を打ったりしていました。
クライアント企業とのやり取りも
直接訪問、電話、郵便がメインです。
応募書類や推薦状は全て郵便で送っていましたし
緊急の場合はFAXを使う事が多かったです。
ご登録者の個人情報も、企業の求人票も、面接などの進捗情報も
基本的には 「紙」 で保存していました。
それが今はペーパーレスになり
クライアントやキャンディデートとのやり取りも
メールや携帯電話が中心になりました。
キャンディデートとは、SNSでコミュニケーションを取る事も増えてきました。
また、多くの人材紹介会社が、様々な業務システムを導入しています。
コンサルタントの業務管理やスケジュール管理も
システム上で行っている会社が多いでしょう。
ITの進化は
確実に我々の仕事や生活を便利にしてくれます。
しかし、少し冷静に考えてみると疑問点もあります。
我々の仕事は本当に効率的になっているのでしょうか?
労働時間が減り楽になっているのでしょうか?
「意外とそうでもないかも?」
と感じる方も結構いらっしゃるのではないかと思います。
紙の履歴書や職務経歴書であれば
ファイルに入れるだけで良かったものを
これがデータになるとファイル形式を変更したりして
保存に手間がかかっている事はありませんか?
キャンディデートとの面談内容をノートにメモして
そのメモをまたシステム入力していますよね?
社内システムにスケジュールを入力しても
自分のスケジュール帳にも同じ事を書いていませんか?
ITリテラシーが高い人はもっと効率的に仕事をされているでしょうが
多くの人は 「デジタルとアナログの二重作業」 になっている事が
意外と多いのではないかと思います。
ITを使いこなしているつもりが
逆に、ITのために時間を割かれている事もあるように感じます。
これはまだ進化の過程だからなのでしょうね。
その内、口頭でのやり取りがそのままシステムにインプットされるとか
データ変換が非常に楽になる日も来るでしょう。
しかし、現状ではまだ
デジタル処理よりもアナログ処理の方が速くて効率的という場面が
結構多いのではないでしょうか?
例えば、キャンディデートの職務経歴書などは
PCでスクロールして読むより
「紙」 でペラペラめくって読んだ方が速いですよね。
最近は、電子書籍も増えていますが
「やはり本は紙で読みたい」
という人も多いと思います。
スケジュール管理も電子機器ではなく
やはり手帳がいいという人も多いですね。
最新技術を積極的に取り入れる事は
未来のために必要なパラダイムシフトです。
ただ、今現在の仕事の効率化のためには
自分にとって最適なテジタルとアナログとのバランスの良いやり方を
考えてみるのも悪くないと思います。
日々の生産性を上げるヒントがあるような気がします。
「にんげんだもの」 みつを
合掌。