「1件でQ目標を達成する男」
毎日、晩御飯の買い物をしていると
時々、知ってる人を目にします。
忘れもしない新人時代の先輩だったNさんです。
眼光鋭く
眉毛は太く吊り上がり
鼻っ柱はツンと上を向いて
周囲をキョロキョロ見回しながら歩いています。
一度見たら忘れられない迫力のある強面です。
「どうしてNさんがこの辺を歩いているんだ?」
最初に声を掛けそこなったので
その後もなかなか声を掛けられなかったのですが
同期のはからいで、先日、久しぶりに電話で話す事ができました。
徒歩1分のビルで働いていました。
Nさん:「おー、武谷(たけや)か!!
なつかしいな。
お前、新人の時、俺の横の席だった事もあるよな。」
良くも悪くも覚えていていただいており光栄でした。
このNさんは、風貌も特徴がありますが
それ以上に、営業手法にも特徴がありまして
今でも強烈に印象に残っています。
当時、軍隊のようなリクルートグループの営業部隊の中で
Nさんは営業マンなのに、めったに外出しなかったのです。
遅くても10時までには外出しないと
「こらー!!
お前らは営業のくせに何で社内にいるんだ?
アポが無いなら、飛び込みでも何でもして来い!!」
と、マネージャーから檄を飛ばされていました。
それにも関わらず、Nさんは外出しないのです。
私も 「この人は一体何をやってるんだろう?」 と思っていました。
しかし、その後、Nさんの正体を知る事になりました。
Nさん:「俺はお前らのような肉体労働じゃないからさ
頭を使って営業してんだよ」
私:「何だとコノヤロー!!
お前は飛び込みができないだけだろう?」
というような会話をしていました。
そんなQ(四半期)末のある日でした。
Nさんが珍しく外出したのです。
それも、取締役営業部長を連れて
どうやら決裁権のある偉いお客さんに会いに行くようでした。
そして、数時間後に帰ってきました。
営業庶務:「お帰りなさい!!
Nさんが、新規○○リース様から特別企画で
●●●●万円受注してQ目標を達成しました!!
おめでとうございます!!」
みんな:「えー!! そんなのいつの間に?」
要するに、大型受注にしか興味が無い 「一発屋」 だったのです。
いつも
「上場企業役員録」 で
決裁権者だけにアポイントを取り
企画提案書を作成してプレゼンし
大型受注1本でQ目標を達成するという
他の営業マンには真似ができない営業をやってました。
その時の企画提案書の表紙を見たら
「天の時 地の利 人の和」
という、わけのわからない題名が書かれていました。
後で調べてみたら、簡略に申しますと
「勝つためには、人の和(人材)が最も大切だ」
という意味のようでした。
さすが、Nさん
「作家志望だった」
というだけの壮大な企画提案書でした。
そんなNさんの影響を受けて
「俺も企画提案書を作って超大型受注をしてみたい」
と思いましたが
頭とセンスが付いていかずに苦労しました。
営業スタイルも人それぞれです。
皆さん、3月期末ですね。
今期も大変お疲れ様でした。
「批判はしたけれど
自分にできるだろうか」 みつを
合掌。