「ネガティブ思考から始めれば、何事にもポジティブになれる」
お馴染み100円ショップを運営する大創産業の矢野社長を
ご存じの方も多いと思います。
これまでも様々なインタビューでの発言が
「ネガティブすぎる!!」
と話題の方ですね。
創業者というものは
才気にあふれポジティブで自信家
失敗を恐れず前に突き進む
といったイメージを持っている方が多いと思います。
しかし、矢野社長の発言はそのイメージとは全く逆です。
・ダイソーなんて底の浅い商売ですから
やがてつぶれるに決まっていると確信を持っていました。
・店舗が増えるのが怖くて 「出すな出すな」 と言ってきました。
・店舗レイアウトは社員が勝手に考えてました。私は何もできんのです。
・顧客はすぐに飽きるもの。お客様はよう分からん。
・「セリア」 には店でも商品でも負けた。
ネット上でも話題になり
矢野社長のこの考え方が
大創産業成功の鍵ではないのか?
とも言われています。
同社のホームページを見ますと
この発言の趣旨が社長メッセージとして掲載されていて
大変興味深く共感できる事が書かれています。
・自分は 「いつ会社が潰れるか?」 という思いで
一日でも長く企業を存続させたいという一心でやってきた。
・そもそも会社というものは、いつか潰れるものだという考えがあった。
・自分は様々な苦労をしてきたので将来の不安を感じる。
苦労をした事がない人には、この怖さはわからない。
・人間が持つ唯一の能力は将来に不安を感じるという事である。
・将来に不安を感じるから頑張れる。不安が原動力になる。
・だから、困難や苦労はありがたい経験なのである。
毎日あらゆる事に感謝の気持ちを忘れない事が大切だ。
いかがでしょうか?
ここで特徴的なのは
企業を存続させる、または成功させる
(社長ご自身は成功とは思っていないかも知れませんが)
事業を成長させる原動力は 「不安感」
要するに、ネガティブ思考にあるとおっしゃっている事です。
事業を始める時、企業を立ち上げる時
普通の人は成功に向かって前向きに進む事が
大きなモチベーションだと思います。
矢野社長のモチベーションは全く逆のアプローチです。
しかし、非常に共感できる考え方でもあります。
「企業を大きくする事」 だけが
企業が存続する目的ではないからです。
また、矢野社長はこれまで借金を抱えて
夜逃げしたり火事にあったりと
非常に不幸な経験や苦労を経て
大創産業を立ち上げています。
この人生経験からくる言葉の重みが
聞く人の心に 「ずしん」 と響いているような気がします。
昨今の傾向として
ビジネスだけではなく
一般的に人生や日々の生活においても
「何事もポジティブに頑張ろう!!」
というメッセージが氾濫しています。
しかし、ネガティブに感じる真実や人生の悲哀のようなものを
見ないようにするのではなく
そのような事としっかり向き合いながら生きていくのが
本来の人間の姿ではないかとも思えます。
「わび、さび」 がわからない人ほど
魅力のない人はいないと
私は思っています。
皆さんもあらゆる面で
ネガティブ思考との付き合い方を
今一度考えてみてはいかがでしょうか?
別の角度から見えてくるものがあるかもしれません。
「しあわせはいつも
自分のこころがきめる」 みつを
合掌。