「同じ労働時間で売上3倍?」
先日、20代の若手コンサルタントAさんとお会いしました。
Aさんは、異業界から人材紹介会社に転職をして丁度1年になります。
私:「Aさん、頑張っていらっしゃるようですね。
社長さんからお話は伺っていますよ。」
Aさん:「いやー、まだまだ力不足でお恥ずかしいです。
先輩方を見習って修行中です。」
私:「焦らなくても大丈夫ですよ。
御社には素晴らしい先輩方がたくさん
いらっしゃるので学ぶ事も多いでしょう?」
Aさん:「そうなんです。
私は今、Bさんのチームに所属しているんですが
Bさんは本当に凄い人材コンサルタントで
私と同じ時間しか働いていないのに
私の3倍は成果を出しています。」
私:「へー、それは凄いですね。
さぞかし効率の良い仕事の仕方をされているんでしょうね。」
Aさん:「そうだと思います。
最近、Bさんの仕事ぶりを密かに観察していたんです。
そしたら何となくBさんの凄さの秘密が少しわかってきました。」
私:「そうですか?
それはぜひ聞かせていただきたいです。」
Aさん:「私にできるかどうかは別問題なのですが(笑)
当り前の事かも知れませんが
仕事の優先順位を大変はっきりつけていらっしゃいます。
余計な仕事は極力しない、という方針が徹底してるんです。」
私:「なるほど。
それは優秀なコンサルタントの共通点かもしれませんね。」
Aさん:「やはりそうなんですね。
私は入社半年ぐらい経過した時から
やらなければいけない事が増え過ぎて
毎日パニックだったんです。
その時は入ってくる仕事を全て同じパワーでこなしていました。
従って、仕事の優先順位はバラバラで。
その点、Bさんを見ていると
パワーのかけ方に大変メリハリがあります。
Bさんなりの経験則や勘でやっているのかもしれませんが
結果的にそこに手をかける必要はなかったね
となる事がほとんどないんです。」
私:「なるほど、なるほど、よくわかります。
でもそれはきっと
Bさんが長年この仕事をやってきたからですよ。
若い時はたくさんの数もこなしていたでしょうし
無駄や回り道もたくさんあったと思います。
経験に裏付けられた判断力があって
今のBさんのような働き方ができるのでしょう。」
Aさん:「多分そうですね。
おっしゃる通りだと思います。
私はまだ力の配分をどうするかの判断基準が
妥当かどうか自信がありません。
まだまだこれからも修行ですね。
頑張って少しでもBさんに近づきたいと思います。」
効率良く仕事をするという事は
人材紹介コンサルタントに限らず
あらゆる仕事に共通した課題だと思います。
しかし、あまりに効率だけを追求すると
間違った方向へ行ってしまう事もあります。
効率良く仕事をする事も大切ですが
それが仕事の目的ではないからです。
Bさんのように長年の経験の積み重ねがあってこそ
仕事の効率は上がっていくものです。
もちろん、元々その人が持っている能力や器用さなどの要素はあります。
それでもやはり、経験から導き出される判断にかなうものはありませんね。
これは、著名なスポーツ選手、将棋や囲碁の棋士など
クリエイティブな職業の方々も
同じ事を言っています。
少し面白い表現ですが
「効率良くできるようになるための効率の良い道はない」
という事でしょうか?
まさに 「継続(経験)は力なり」 という事ですね。
「いちずに一本道
いちずに一ッ事」 みつを
合掌。