「自己評価=他己評価ではない」
先日、大手人材紹介会社に転職されたばかりの
女性コンサルタントAさんにお会いしました。
私:「新しい職場はいかがですか?
もう慣れましたか?」
Aさん:「はい、おかげさまで楽しくやっております。
私はベンチャー企業ばかりで働いてきましたので
これまで好き勝手にやってきました。
その結果、自己主張が強くて協調性がなく
大きな組織には合わないのではないかと思っていたのですが
入社してみたら意外と自分にフィットしている気がしています。」
私:「●●社さんは、業界内では大手企業ですが
フラットで自由な雰囲気ですからね。
それにAさんは決して協調性のない人ではないですよ。
組織でも柔軟に適応できる人だと初めから思っていました。
だからこそ、●●社さんをご紹介したんですよ。」
Aさん:「そうですか?
ありがとうございます。
確かに自分で勝手に
協調性がないと思い込んでいた部分もあったかもしれません。
自分が思っている自分と
外から見えている自分というのは
違うのかもしれないですね。
最近時々思うようになりました。」
私:「確かにそうですね。
自分の事は自分が一番よくわかっているようでも
客観的ではありませんからね。」
Aさん:「本当におっしゃる通りですね。
大変お恥ずかしい話ですが
若い頃、自分にはスカートは似合わないと思い
パンツスーツばかり着ていたんです。
ただ、ある時スカートをはいて通勤したら
女性の上司から
『Aさんはスカートの方が柔らかい雰囲気になって似合うよ』
と言われた事がありまして
とても嬉しかったんです。
お世辞かもしれませんが(笑)。
でも、自分で勝手に自分を決めつけてはいけないという事ですね。」
私:「そうですね。
誰でも自分のコンプレックスや苦手な事には敏感になってしまいますから
必要以上に気にしているケースが多いと思います。
キャンディデートの方もそうですよね。
話す事が苦手ですとか
こんなシャイな性格なんですとか
ご自分ではおっしゃっていても
客観的に見たらそんな事はないですよ
という方が多いです。」
Aさん:「それは本当にそう感じます。
その方がいる環境と世間一般とでは
評価が違う場合もありますしね。」
私:「そうなんですよ。
潜在的に持っている自分の一面に気づいていない方も多いです。
ですから、Aさんがおっしゃる通り
自分で自分を決めつけない事が大切でしょうね。」
Aさん:「はい。
私も新たな環境で
新たな自分を発見できるかもしれませんので
自分の固定概念にとらわれずに頑張ります。」
人は誰でもある程度
「自分はこういう人間だ」
という固定概念を持っていると思います。
しかし、実は意外と見えていない自分というものもあります。
「自己評価=他己評価」 ではないという事です。
会社でも360度評価研修などを実施すると
周囲からの評価と自己評価とのギャップを認識させられる事が多々あります。
我々、人材紹介コンサルタントの仕事は
ご自身では気づいていないキャンディデートの長所や魅力を
客観的に感じて伝える事でもあります。
自己分析をしっかりやってみる事は意味があると思いますが
一方で、少し懐疑的になって自分の可能性に蓋をしない事も
人生にとって必要なのではないでしょうか?
年令や経験と共に
また環境が変わる事によっても
新たな自分を発見する事があります。
自分自身でも未知な部分が多いからこそ
人間は面白いのだと思います。
この仕事の面白さも、まさにそこにあります。
皆さんも、新たな自分との出会いを楽しんでみてください。
「一番わかっているようで
一番わからぬ
この自分」 みつを
合掌。