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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「仕事の本質と意義をキャンディデートから教えられた」

「仕事の本質と意義をキャンディデートから教えられた」

先日、現役の人材紹介コンサルタントAさんから

担当されたキャンディデートの方のお話を伺いました。

Aさん:「先日、あるキャンディデートの方と面談をしました。
     まだ30代前半のお若い方なんですが
     仕事に対して大変立派な考え方をお持ちで感心したんです。」

私:「ほー、どんな方だったんですか?」

Aさん:「人事の方なのですが
     1社目で地方事業所や工場の管理業務に就いておられて
     ご家庭の事情もあって、現在の会社に転職されたとの事です。
     現職では2年ぐらいになるのですが
     前職のような仕事に戻りたいというご希望で
     転職活動をされているんです。」

私:「なるほど、現職ではどのような仕事をされているのですか?」

Aさん:「誰もがご存知の大手製造メーカーの本社で
     社内プロジェクトの管理業務を担当されています。
     組織の再編や工場の閉鎖や移転などに伴って発生する
     様々な人事的問題に対応するお仕事です。」

私:「そうですか、大変責任あるお仕事ですね。
   でもそれはある意味
   前職からの大きなキャリアップではないですか?」

Aさん:「そうなんですよ。
     私もそう思いました。
     しかし、その方は
     今の仕事は現場が全く見えないので
     つまらないとおっしゃるんです。
     前職でやっていた仕事は
     多くの社員の方々とコミュニケーションができて
     現場で何が起きているかを身を持って知る事ができたので
     会社に貢献しているという実感が持てたそうです。」

私:「なるほど。
   そう言われてみると、そうかもしれませんね。
   でも、お若いのにそういう価値観を持てる方は少ないでしょうね。」

Aさん:「はい。
     その方は
    『前職の仕事は地味で面倒でおそらく多くの人が嫌がる仕事だと思うんです。
     でも、実は我々の仕事の本質はそこにあって
     それこそが私たち人事の役割ではないかと思うんです。』
     とおっしゃっていて
     大げさですが、頭を殴られたような軽い衝撃を受けました。
     多くの方々が現場の面倒臭い仕事より上流工程の仕事をしたい
     地方拠点より本社に行きたい
     と希望するものだと思っていましたからね。
     力不足だからではなく
     ご自身の意思で本当にやりたい仕事内容を考えられる
     その方を大変素晴らしいと思いました。」

Aさんがおっしゃる通り

多くの方々がキャリアアップとは

今より上流の仕事に携わる事だと考えていると思います。

そんな周囲に流されず

「自分たちの仕事の本質と意義は何か?」

を考えたその方は聡明な方ですね。

自分の仕事の役割を真剣に考えている方は

意外に少ないと感じる事があります。

「誰のために何をする事が自分の役割なのか?」

仕事の意義というものは

本来そのようなシンプルな問いに対する答なのでしょう。

転職活動をしていると

普段耳にしない目新しい情報や目先の損得勘定に振り回されて

本来の答を見失ってしまう方も多いです。

人材紹介コンサルタントである我々も

その部分をしっかりと踏まえた上で

地に足の着いたアドバイスができるように注意する必要がありますね。

今回、Aさんから大変良いお話をお伺いできました。

ありがとうございました。

また、Aさんご自身にとっても

意義深い出逢いだったのではないでしょうか?

「土の中の水道管
 高いビルの下の下水
 大事なものは
 表に出ない」                               みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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