「世代を超えて人材業界を進化させよう」
先日、人材紹介会社の社長Aさんが
自社採用のご相談にお越しになりました。
A社長:「これまで当社は即戦力となる
30代後半以上の経験者ばかりを採用してきましたが
今後はもっと若い世代の方も積極的に採用していきたいと
考えています。」
私:「それは次世代を担う人材育成のためですか?」
A社長:「はい、それもあります。
ただ、他にもっと重要な理由があるんです。
当社は、ミドル層・エグゼクティブ層の領域に特化していますが
クライアントの人事担当者やキャンディデートも
年々我々より若い方々が多くなってきています。
従って、それらの方々と同世代の
人材紹介コンサルタントが必要だと感じるんです。」
私:「なるほど、そうですね。
ベンチャー企業では20代の社長さんも少なくないでしょう?」
A社長:「そうなんです。
この仕事は経験や知識も大切ですが
人を扱う仕事ですから理屈ではない部分の
『共感性』や『親近感』というものも大切だと思うんです。
若い世代の方々の考え方やワークスタイルは
我々では十分に理解できない部分もあります。
そこはやはり同世代の人にはかないません。」
私:「確かにそうですね。
コミュニケーションの取り方だけとっても
世代と共に変わってきていますね。」
A社長:「おっしゃるとおりです。
我々は重要な事は、直接会ってお話しすべきだと考えていますが
若い方々ですとSNSだけでコミュニケーションが成立する場合もあります。
これは良し悪しではないんですよね。
育ってきた時代背景が違えば、考え方も違って当然です。
今の20代が40代になる時には
今の40代とはまた違う40代になっているはずですからね。」
私:「A社長は時代に合わせて
柔軟に変化していく事が大切だとお考えなのですね?」
A社長:「はい。
もちろんビジネスや人として
普遍であるべき事も大切にしたいとは思います。
しかし、ビジネスは常に進化していますから
若い方々の考え方や意見にも
耳を傾けなければならないと感じています。
当社も頭の固い年寄りばかりになっては困りますからね(笑)。」
日本の就業人口全体を見てみますと
現在40代前半~半ばの方々が最後のベビーブーマーですので
以後の世代は人口が減っています。
従って、これから先のビジネス界を背負っていく
若い方々はとても貴重な存在ですね。
確かに経験や知識の豊富なベテランコンサルタントは頼れる存在です。
しかし、A社長がおっしゃるように
若い方々の考え方や智恵を取り入れる事も大変重要です。
若い方々は機動力もあり
発想も柔軟ですから
多少の失敗があっても
またすぐにやり直せるという点も大きなポイントです。
理想は幅広い年齢層の人材紹介コンサルタントが混在していて
それぞれの考え方や仕事のやり方を尊重・共有し
組織としての幅を広げたり
奥行きを深める事だと思います。
世代を超えて
皆でこの人材業界を盛り上げ進化させていきましょう。
「花はつねに
あたらしい枝に咲き
あたらしい枝は
かならず
ふるい幹から出る」 みつを
合掌。