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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「どの程度まで強くクロージングすべきか?」

「どの程度まで強くクロージングすべきか?」

皆さん、いよいよ12月末、そしてQ末で

まさにクロージングに奔走されている方も多いと思います。

先日、現役の人材紹介コンサルタントAさんとお話しました。

Aさん:「先日あるキャンディデートが内定したんですが
     その方は別の企業への入社を決めたので
     結局、成約できなかった案件がありました。
     振り返ると自分のクロージングの仕方が良くなかったかなと
     反省しています。」

私:「そうですか、それは残念でしたね。
   どんな点が良くなかったと感じていらっしゃるんですか?」

Aさん:「企業側は是非とも採用したいと大変前向きで
    『Aさんの件、何としても宜しくお願いします!!』
     とプレッシャーもあったんです。
     ですから、かなり前のめりにクロージングしてしまったんですよね。
     最後はそれでキャンディデートの方も
     引いてしまったのではないかと。」

私:「なるほど、でもAさんの気持ちはよくわかります。
   クライアントのためにできるだけの事をしたいというのは
   担当コンサルタントとしては当り前ですよね。」

Aさん:「はい、でも実は自分の担当企業より
     キャンディデートが選んだ企業の方が
     魅力的だと内心思っていたんです。
     だから悶々としながら
     つい強引な言い方をしてしまったのではないかと。」

私:「でもそのように自己分析できているんですから
   きっとキャンディデートにもクライアントにも
   Aさんの苦しい努力は伝わっていると思いますよ。」

Aさん:「そうでしょうか?
     内定が出た時のクロージングをどこまで強くやるか?
     というのは大変難しい課題ですね。
     自分の担当企業を選んだ方が絶対に良いと
     確信していればいいのですが
     他の企業の方が良いのではないかと思える時もあって
     そんな時はいつも悩みながらクロージングしています。」

私:「どちらが絶対に良いという確信は
   誰にも持てないと思いますよ。
   別の企業の方が良いというのも
   Aさんの思い込みかもしれません。
   驚くような人生の選択をして
   幸せになっている人もたくさんいるじゃないですか?」

Aさん:「確かにそうかもしれませんね。
     あとはやはり自分の業績のためにクロージングしているのではないかと
     キャンディデートに思われるのも嫌なんです。」

私:「Aさんは、本当にそう思いながらクロージングしているんですか?」

Aさん:「うーん・・・。
     そう言われてみると、そうでもないかもしれません。
     当然、営業ですから、全くそんな気持ちがないわけではないですが
     クライアントの期待に応えたいという事が一番でしょうか?」

私:「それで良いのではないでしょうか?
   大切なのはクライアントの要望に応えるという姿勢だと思います。
   それが我々のビジネスですから。
   でも、前のめりになり過ぎないように
   キャンディデートご自身が冷静に考えて選べるようにできれば
   コンサルタントとしては十分ではないでしょうか?」

Aさん:「そうですね。
     上司からも
     『押してダメなら引いてみろって言うだろう?』
     って言われました(笑)。」

私:「Aさんの真っすぐで一生懸命な所がよくわかりますね。
   良い情報ばかり伝えるのではなく懸念点も伝えて
   あとはキャンディデートにボールを投げて静かに待つ事も
   大切だと思いますね。
   まさに『押してだめなら引いてみろ』ですね。
   そうやってキャンディデートの方々と向かい合えば
   自分の担当企業に入社されなかったとしても
   お互い長くお付き合いできるのではないでしょうか?」

クライアント企業から内定が出た最終局面で

キャンディデートが迷っている場合

人材コンサルタントの皆さんは

何らかの働きかけやアドバイスをされると思います。

時折、「強引なクロージングをされました」

というキャンディデートのお話を伺う事もあります。

最後までクライアント企業のために

できる限りの事をするのは

担当コンサルタントとしては当然でしょう。

100%ニュートラルである事は難しいと思います。

それでも、できるだけ客観性を保ちながら

営業としての努力をできるかという点が

バランス感覚の妙ではないでしょうか?

長年この仕事をしていれば

Aさんのように 「あの時はこうしたら良かった」 と思う事も度々あります。

その思いを忘れずに

「次はより良いサービスを提供しよう」

という気持ちが一番大切だと思います。

「クライアント」 「キャンディデート」 「エージェント」

三者のWINが気持ちよく成り立つように

精進あるのみですね。

「にんげん
 我慾のかたまり
 にんげんのわたし」                          みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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