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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「人によって『やる気スイッチ』のある場所は違うよ」

「人によって『やる気スイッチ』のある場所は違うよ」

先日、ある人材紹介会社でマネージャーに昇進されたAさんにお会いしました。

私:「Aさん、お久しぶりですね。
   最近の調子はいかがですか?」

Aさん:「おかげ様で会社やチームも業績好調です。
     私もマネージャーになりましたので
     色々とやる事が増えて忙しくはしております。」

私:「そうですか、昇進おめでとうございます!!
   マネージャーの仕事はどうですか?」

Aさん:「ありがとうございます。
     うーん、そうですね。
     楽しくやっているのですが
     最近、少し悩んでいる事があります。」

私:「どんな事ですか?」

Aさん:「私のチームにB君という20代後半のメンバーがいるんです。
     とても優しくて気遣いのできるいい奴なんですが
     何というか欲が無さすぎるんですよね。」

私:「欲が無い?
   具体的には?」

Aさん:「欲が無い人間にはっぱをかけるのは難しいですね。
     B君はプレーヤーとしては平均的なコンサルタントなんですが
     昇進したいとか
     トッププレーヤーになりたいとか
     そういう野心が全く無いんですよ。
     隣のチームにB君と同期のトップコンサルタントC君がいます。
     私としては、C君に負けないように頑張ってほしいのですが
     B君には全くその気はないようです(笑)。」

私:「なるほど。
   でも、そんな人材紹介コンサルタントがいてもいいんじゃないですか?
   ちゃんと目標達成はしているんですよね?
   AさんはB君にどうなってほしいんですか?」

Aさん:「そうかもしれませんけどね。
     上司としては歯がゆい気持ちになってしまうんですよね。
     C君に負けたくないとか
     もっと上を目指したいと思わないのかと。」

私:「Aさんの気持ちもよくわかりますよ。
   しかし、昇進やトップになる事が全てじゃないですから
   B君にはB君独自のモチベーションの源泉があるような気がします。
   B君の良さを活かしたステップアップの道もあるのではないでしょうか?」

Aさん:「確かにそうかもしれません。
     B君は性格も温厚で誰にでも好かれるので
     マネージャーにならなくても
     新人教育には向いていると思います。
     そういう方向でリーダーシップを発揮してもらう
     という考え方もありますね。」

私:「Aさんは、ちゃんとB君をよく見て理解されてるじゃないですか。
   偉くなれとか、トップになれとか、そんな期待の仕方じゃなくて
   B君が自然とやる気になるようなアプローチをしてあげてはどうでしょうか?
   人間は与えられた役割やその時の状況で気持ちも変わりますから
   B君も変わるかもしれないですよ。
   じっくり見守ってあげてはいかがでしょうか?」

Aさん:「はい、そうですね。
     私のエゴではなく
     もっとB君の気持ちに寄り添って考えます。」

時々、最近の若い世代の方々は

あまり欲がなく平和な生き方を好む人が多いという話を聞きます。

それはそれで否定するものではなく

一つの生き方ですよね。

ただ、向上心むき出しに仕事をしてきた上司から見ると

何か頼りなく見えて、じれったく感じるかもしれません。

また、欲が無い人に

「もっと頑張って上を目指せ!!」とか

「もっとやればもっと稼げるぞ!!」とか

そのような言葉をかけても

本人の「やる気スイッチ」は

そこにないので効果がありません。

しかし、誰にでも仕事を含めた人生全般に関して

「今より少しは良くしたい」

という、自然な向上心はあると思います。

従って、一面的な見方ではなく

その人の価値観やモチベーションリソースを

理解してあげる事が大切ですね。

人によって「やる気スイッチ」のある場所は違います。

実際の仕事現場では

そう簡単な話ではないでしょうが

マネージャーの方々はそれを頭に置いておくと

個々のメンバーに対するアプローチを変えられるかもしれません。

いつの時代も、人が人をマネジメントするという事は大変難しく

絶対的な答が無いものですね。

「どんな雑草でも
 時期がくれば
 だまって
 自分の花を咲かせ
 自分の実をつける」                         みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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