「無礼でファンキーな人事部長MVP」
以前、新人コンサルタントから新規企業訪問の同行を頼まれました。
新人:「武谷(たけや)さん、新規なんですが同行していただけませんか?」
私:「いいよ、どんな会社?」
新人:「エンタメ業界の中では歴史ある有名企業ですが
業績低迷が続いて、経営再建中のようです。」
私:「つぶれかけた会社が人材採用?
おもしろいね。行こう!!」
最寄駅からも距離があって
夏の暑い日に汗だくになってやっと到着しました。
歴史を感じるボロボロの古い社屋。
エアコンも効いてない受付で1時間以上待たされました。
待っている途中、受付さんに何度かプッシュしたのですが
「申し訳ございません。前の打ち合わせが長引いておりまして
今しばらくお待ちください。」
と、苦しそうに答えるのが精一杯という感じでした。
私:「今日会う人事部長って、いつもこんな感じで人を待たせるんじゃない?
なんか受付の対応を見てると、そんな気がするよ。」
新人:「そうなんですかね?
でも、いつもこんなに待たせるって、失礼じゃないですか?」
私:「俺たちは、その程度の業者って事かもな?」
やがて、1時間以上経過して、ようやくその人事部長が現れました。
部長:「こっち」
こいつ頭がおかしいな。
「大変お待たせして、申し訳ございません。」
などというような謝罪の言葉や態度は全くありません。
男性、アラフォー。
ある種、頭の回転は速いのでしょう。
多分、外資系企業を渡り歩き
前職で上司だった外国人に引っ張られたという感じです。
英語はできるが常識がない。
非常識なだけに、ストレス耐性が非常に高そう。
だからこそ、つぶれかけた企業再生に合ってるのかも?
新人:「今回の採用の背景は何でしょうか?」
部長:「それより採用スペックを言うから、早く紹介して。」
およそ、採用できるわけがない厳しいスペックと低い年収。
私:「ところで、部長が面接するんですか?」
部長:「僕が会ってOKであれば役員に会わせる。」
こりゃダメだ。
こんな人が面接官では、仮に紹介できても辞退される。
時間の無駄だ。
早く帰ろう。
それでも、一生懸命ヒアリングしようとする新人。
しかし、話は20分程度で終わり帰社。
その後、新人は懸命に人材を探してご紹介したのですが
当然、結果には結び付かず。
新人:「あの人事部長から、メールでNG連絡があったので転送しますね。
笑っちゃいけないと思ったんですが
笑いが止まらなくて。」
私に転送された人事部長からのメールの署名を見たら
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
このように、かわいい♪で一杯でした。
おまけにメールの文章も、句読点の代わりに♪が使われていました。
「常識はないけれど、悪人じゃないな。
とても音楽が好きなんだな。」
と思い笑ってしまいました。
ビジネスにはなりませんでしたが
その後、会社も再建できたようで良かったです。
「批判はしたけれど
自分にできるだろうか」 みつを
合掌。