「築地の仲卸さんに学ぼう!!」
先日、お会いした人材紹介コンサルタントのAさんから
ある映画のお話を伺いました。
Aさん:「先日『築地ワンダーランド』と言う映画を観たのですが
自分の仕事にも通じる部分があって大変考えさせられました。」
私:「ほー、そうなんですか。
どんな内容なんですか?」
Aさん:「築地が移転する前に映像で残したいという事から撮られた
ドキュメンタリーなんですが
その中で仲卸さんの仕事内容や考え方が
人材コンサルタントの我々と似ていると感じました。」
私:「へー、確かに仲卸さんの仕事は
生産者・卸業者と小売の人の間に立つものですから
我々仲介業と似ていますね。」
Aさん:「そうなんです。
映画の中で、仲卸さんが言っていた言葉や仕事のスタンスが印象的でした。
例えば、魚の目利きをするという事は
良い魚を選ぶというように思われがちですよね?
しかし、実は小売の方(料理店など)の希望は様々らしいんです。
料理の内容や料理人の好みもあって大きさ・色・柔らかさなど
それぞれの小売の方々好みを理解して
それぞれが望むものを提供できるのが本当の目利きだと言うわけです。
仲卸自身が良い魚だと思うかどうかは関係ないんだと言っていました。」
私:「なるほど!!
様々なお客様のニーズにどれだけ寄り添えるかがプロだという事ですね?」
Aさん:「その通りです。
一方で、小売の方々は仲卸さんを頼りにしていて
様々な情報やアドバイスを聞きに来る。
そういう密接なコミュニケーションによって
築地市場が成り立っているそうです。」
私:「人材コンサルタントとクライアントやキャンディデートの関係のようですね。」
Aさん:「まさにそうだと感じました。
もう一つ印象的な部分がありまして
最近はネットの普及などで
産地直送というものがトレンドになってきていますよね?
実際に魚の流通もそういう流れはあるそうです。
でも、直近では再び産直より築地でという流れに
戻りつつあると感じると
ある料理店のご主人がおしゃっていました。」
私:「それはどういう事なんでしょうか?」
Aさん:「単純に安く新鮮なものを右から左にという事なら産直だけで良い。
でも国内・海外のモノが集まり
情報も集まる築地市場の仲卸さんにしか出来ない事があると。
大型スーパーならそれでも良いのかもしれませんが
実際に自分で調理をして
直接お客様の口にまで運ぶ料理店にとっては
築地の仲卸さんの存在が大きいのだという事です。」
私:「うーん、考えさせられますね。
様々な採用手段や転職手段がある中で
我々エージェントの存在意義と同じという事ですか?」
Aさん:「はい、私も同じように感じました。」
移転問題で今話題の築地市場ですが
もう80年以上の歴史があり
長年培ってきた生産者→卸→仲卸→小売という
そこに関わってきた方々の信頼関係は深いものだと想像できます。
親子何代にも渡って引き継いで来られた方も多いでしょう。
一般消費者には馴染みのない仲卸と言う仕事に携わる方々のプロ意識の高さが
築地市場での取引の信頼の大元でもあるのだと感じます。
ただ魚を流通させ取引をするという物理的な機能だけではなく
人と人との繋がりがビジネスを成り立たせているわけですね。
Aさんの言う通り、我々人材紹介コンサルタントのあるべき姿と同じです。
我々も仲卸の方々に負けないプロとしての気概を持ち
精進しなければいけませんね。
「一生勉強
一生青春」 みつを
合掌。