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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「退職者が少ない企業の悩み」

「退職者が少ない企業の悩み」

「ブラック企業」という言葉に対して

社員の離職率が低く定着率が高い会社を

「ホワイト企業」と言うそうですね。

離職率が低く辞める社員が少ないという事は

「良い会社」の一つの指標でもあります。

しかし数年前、ある「ホワイト企業」さんに新規訪問をした際

人事の方から、下記のようなお話を伺いました。

私:「御社はあまり中途採用をされていないと思うのですが
   それでも人材紹介会社をお使いになる機会があるなら
   是非、弊社もお取引させていただきたいと思って参りました。」

人事:「何年かに1度、お願いする事もありますよ。
    その時は、是非お願いしたいと思うのですが・・・。
    人事の本音としては、もっと中途採用したいんですよね。
    でも、できないんですよね。
    そっちの悩みの方が大きいです。」

私:「それはどういう事でしょうか?」

人事:「ご存じの通り、当社は居心地が良くて離職率が低いです。
    ただ悪く言えば、甘くてぬるい環境なんですよ。
    それでどういう状況かと言いますと
    バブル期に新卒採用した40代後半の社員が大変多いんです。
    年齢ピラミッドが明らかにおかしいです。
    人件費の面から考えても悩ましいと考えています。」

私:「なるほど。
   バブル期以降は採用数も減らしていらっしゃるから
   その下の年齢層が少ないんですね?」

人事:「おっしゃる通りです。
    だからと言って、赤字でもないのに簡単にリストラもできません。
    人事評価制度を変えて厳しくする方法もありますが
    極端に変えるとリスクも大きいんですよね。」

私:「確かにそうですね。
   良くも悪くも社風が変わってしまうでしょうし
   優秀な若い人材まで辞めてしまうかもしれませんね。」

人事:「そうなんですよ。
    世間ではリテンションとか、退職者をいかに減らすかで
    苦心されている人事の方も多いと聞きますが
    当社はまさに正反対ですよ(‎笑)。」

確かに退職者が多過ぎるのは問題ですが

企業にとっては、「ある程度の人材流動=新陳代謝」があるというのは

組織の活性度を維持する上では重要な事です。

退職者があまりに少ないというのは

「居心地が良い」「厳しくない=甘い」環境であるという事が考えられます。

成果を出しても出さなくても、居続けられる環境があるという事ですね。

成果に厳しい企業であるほど

成果を出せない社員は、ふるい落とされてしまいます。

その分、退職者は増えますが

残った社員は優秀な人材の集団になります。

「当社は社員が定着しているから問題ない」と思っている内に

精鋭揃いの競合他社に追い抜かれて

いつの間にか業績が落ち込むという事はよくあります。

この辺のバランスが大変難しいところであり

経営マネジメントの肝かもしれません。

個別の企業には様々な事情や社風もあるので

一面だけを切り取って判断はできません。

しかし、この「人材の定着と新陳代謝のバランス」に関しては

我々、人材紹介コンサルタントにとっても

クライアント企業と接するに当って重要なテーマですね。

「張りすぎてもだめ
 たるんでもだめ
 ちょうどいいあんばいが
 一番いい」                          みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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