「ベンチャー企業で働くための覚悟と姿勢とは?」
先日、ベンチャー企業S社の人材紹介コンサルタントAさんにお会いしました。
Aさんは、人材紹介コンサルタント歴10年以上のベテランです。
現在の会社では、3年前から働いています。
私:「社長から大変ご活躍されているとお伺いしています。
さすがですね。」
Aさん:「いえいえ、まだまだです。
私もそうですが、会社としても発展途上段階ですし
様々な課題があります。
実際に転職されてきた方でも
短期間で離職してしまう方もいるんですよ。」
私:「そうですか?
社長はじめ、皆さんお忙しいくて大変なんでしょうね?」
Aさん:「そうですね。
それもありますが、大手に比べると整備できてない部分も多いので
問題点ばかりに目が行ってしまう人には難しいと思います。
特に、ある意味で正義感が強く
信念を持っている方ほど、心が折れるのも早い気がします。」
私:「なるほど、わかるような気がします。
どんな環境でも頑張っていける人は何が違うんでしょうか?」
Aさん:「そうですね・・・。
先ほどお話したように
正義感や正論に拘りすぎる人は
自分で自分を追い詰めてしまうと思うんですよ。」
私:「確かにそうかもしれませんね。」
Aさん:「人間と同じで、会社も完璧な組織など存在しません。
もちろん改善する事は大切ですが
それも思うように進まないケースが多いです。
そこで『それはおかしい!!』という事ばかり言っても始まらないんですよね。
現状を受け入れるというか
今はまだできていない部分はある程度仕方がない
という受け止め方も必要だと思うんです。」
私:「なるほど、よくわかります。
諦めるのではなく受け入れる、ですね?」
Aさん:「そうです、そうです。
今は難しいかもしれないけど
将来はこうして行くんだという気持ちを持って
現状をしっかり受け入れる事が大切だと思います。」
ある程度、組織やサポート体制が整った大企業にいた方が
ベンチャー企業に転職した時
戸惑う事は多々あるでしょう。
「そんな事はできていて当り前だろう?」
と思っていた事が整備されておらず
想像以上に課題が山積しているからです。
課題を課題として認識する事は大切なのですが
それに異議を唱えて
すぐに全部変えようとしても無理があります。
少ない資本や人員で日々精一杯のベンチャー企業では
課題解決の順番に優先順位を付ける必要があります。
全ての経営課題に同時に対応するのは難しいのです。
今の段階ではここまで
次は段階はここから、というように
順番を付けて解決していくしかありません。
その場合、Aさんのように
できていない現状を受け入れる姿勢が必要になってきます。
「清濁併せ呑む」という言葉がありますが
そういった懐の深さや余裕が大事なのでしょう。
世の中、常に正しく理屈の通った状態であるとは限りません。
そこでどうするのか?
また、そんな状態でも腐らず一歩ずつ変えていけるか?
ベンチャー企業で働くためには、そういう覚悟と姿勢が必要ですね。
「欲しがりません。勝つまでは。」の精神です。
「いまから ここから」 みつを
合掌。