「AI と 人材紹介コンサルタント。本当の勝利とは?」
以前、 「とこなつ家」さんの鈴木康弘さん(やっさん)のフェイスブックで
盛り上がった「AI」関連の話です。
人材紹介の仕事は
チェス・将棋・囲碁のように必ず最善手があり
勝敗という決着がつくものではない。
次の手の選択肢は、チェス30通り、将棋80通り、囲碁200通り。
所詮、最大でも200通りの中から
相手に勝てる手を探し出せる計算能力があればいいのがAI。
ゲームは駒の機能も升目の数も決まっている。
従って、計算力の強弱で勝敗が来まる。
勝負する相手は名人でも初心者でも同じ。
心理戦はないし、びびったりしない。
ただ、最善手を探す、計算するだけ。
ところが、人材ビジネスは
企業にも人材にも個性があり、感情もあり、人に自分を理解してほしいという欲求もある。
相性の良い面接官もいれば、そうでない人もいる。
要するに、計算力では通じない世界の事を、我々人間はやっている。
もっと言うと、この仕事で 「勝利」 とは何か?
それは、入社後に採用された人材が活躍するか?
企業が人材を活かせる教育やマネジメントをできるか?
最終的に両者の成長・発展につながるか?
そこまで見届けて、やっと「勝利」だ。
内定とか入社なんて途中も途中、まだ道半ばである。
AIでマッチングシステムを開発するのであれば
「実際、その会社でどのような社員が活躍しているか?」 という逆算方式で
「どのような人材を採用すべきか?」
という事を要件定義してコンピューターにたたき込む方が早い。
「採用されるか?されないか?」 というレベルは
将棋や囲碁で言うと
まだまだ序盤戦でしかない。
テクノロジーが古かったと思うけど
1998~1999年ごろですかね?
詳細は当時プロジェクトメンバーだった
リクルートの平野君に聞いていただければわかります。
トライアルでIT業界担当部門に限定して
AIによるマッチングシステムの開発に取り組みました。
リクルートから東工大出身の天才F君にもお越しいただき
超大手F通様と一緒に作ろうとした事がありました。
当時の経営会議で
「武谷、予算は○億円だけど、やる?やらない?」 と聞かれ
思わず「やりましょう!!」 と言ってしまいました。
結果は、現場にも会社にも負担とご迷惑をおかけしました。
そのような苦い思い出があるので
AIと聞くと過剰反応してしまうのかもしれません。
リクルートキャリアの柴田さんは
同じ会議に出席されていたと思うので、ご記憶かもしれません。
今でこそ昔話で笑えますが。
1997年にIBMのディープブルーが
チェスの世界チャンピオンに勝利して20年。
先日は囲碁のチャンピオンもコンピューターに負けた。
既に、将棋のプロは最近
コンピューターになかなか勝てなくなっている。
一手のミスも許されない。
こんな状況だけど
どのゲームもすたれていないのがおもしろい。
対立構図ではなくて
AI と人間
それぞれの長所を活かして
より高次元の仕事ができればいいね。
AI の進化によって人材紹介コンサルタントが不要になるとすれば
それは所詮、その程度の仕事だという事です。
我々の仕事が簡単に無くならないように
良い仕事をしましょうね。
「にんげんだもの」 みつを
合掌。