「経営にアプローチできないコンサルタントは絶滅する」
日本企業相手のエグゼクティブ・サーチファームのコンサルタントであれば
無い求人(顕在化していない求人)を
経営者に対する 「仮説⇒提案」 によって自分で創り出し
顕在化させ決めてこそ一人前だと思います。
残念ながら
登録型の人材紹介会社において
このような事ができる人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)は
かなりの少数派です。
これができる人は、敵が少ないので、ボカスカ売れます。
多くの人材コンサルタントは
既に顕在化している求人ばかりを追いかけて
常に同業他社との競争にさらされ
膨大な数のスカウトメールを打っています。
これでは、レッドオーシャンにおける完全な体力勝負。
だから、多くの若い人材コンサルタントは
疲弊するばかりで成長感が持てず
数年以内に辞めてしまうのです。
クライアント企業内に本質的に内在している経営課題に
アプローチできる人が少ないからです。
経営に関して、あまり勉強してないし、教えられてもいない人が多い。
企業経営とか経営者にアプローチできるコンサルタントになれば
成長感が持てるし
もっと深く、もっと長くやろうという気持ちもわいてきます。
一方、外資系企業においては
重要な意思決定(例えば、日本法人の社長を採用する等)は
本社のある外国でなされますので
日本法人のエグゼクティブコンサルタントの提案余地には大きな限界があります。
クライアントが日本企業(特にオーナー企業)であれば
国内本社で重要な意思決定が行われますので
直接、経営者と会うことができれば
人材コンサルタントの介入余地が大きいわけです。
下記、エグゼクティブ・サーチをやっている
友人のコンサルタントからのメールです。
「武谷さん
今夜はありがとうございました。
私の知ってる、武谷さんのままでした。
厳しくもあり、優しくもあり、かわらぬ武谷さんでした。
23歳の時に受けたビジネスマンのあり方、厳しさは忘れたことがありません。
それが今でも原動力です。
私の仕事は仮説をたて社長に提案していく、
間違っていても誰も怒りません。
間違いや現状を教えてくれます。
簡単な喩え話で言うと、
『なんでこの会社はこの規模で海外に工場がないのだろう』
→『工場を作れる人がいないからかも知れない』
→『海外で工場を回せれば、大きくコストダウンが出来て収益力が上がるはず』
→『海外で工場作ってきた人を紹介しよう』
こういう展開です。
社長からは海外展開できる人材という要望なんか出ていない中で
こういう仮説をぶつけます。
『そんな人がいるのか』 と言われればこっちのものです。
言われた時には、その場でもう候補者は用意されていますから。
事前に候補者にシナリオを話していますから。
『はい、もちろんいます。この人です』 と。
100発百中とは言いませんが、いつもこういう仮説をぶつけています。
先方から出てくる顕在化した案件に関心はありません。
「いたずら推薦」
この会社が儲かるにはどうしたらいいのか。
それをいつも考えてそういう提案をしていきます。
他の人材コンサルタントと同じことしていたらコモディティに成り下がる。
それなら私じゃなくてもいい。
脊髄反射系のコンサルタントがやればいい。
私はこんな仕事をしています。
だから独特の市民権があるんじゃないかなと思っています。」
「人材紹介コンサルタント」としては
経営者に対して
「仮説・経営課題解決提案」⇒「適材を探して決める」⇒「結果を見届けて再提案する」
というような人が増えないと
その時々の流行りのツールに支配されて
右往左往するばかりでしょう。
端的に言うと
「経営者相手に経営の話ができるかどうか?」
これによって
この業界の皆さんの運命が決まるのです。
それができるようになって
人材コンサルタントとしての本当の誇りも持てます。
40歳、50歳になると
コモディティ市場では体力勝負で若者に勝てません。
だから、20代から経営の勉強を始める必要があるのです。
「ひとつの事でも
なかなか
思うようには
ならぬものです
だからわたしは
ひとつの事を
一生けんめい
やっているのです」 みつを
合掌。