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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「対話型面接のススメ」

「対話型面接のススメ」

人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の面接においても

人材紹介会社によって様々な面接のやり方があります。

その一つで「対話型の面接」を大切にしている会社があります。

「対話型面接」とはどういうものでしょうか?

「対話型」の反対は「詰問型」と言えるかもしれません。

「詰問型面接」は

企業側が応募者に聞きたい事を

次々と網羅的に聞いていく面接です。

「転職理由は何ですか?」

「当社への志望理由は何ですか?」

「貴方の長所と短所は何ですか?」

「これまでに仕事で成功した事例を教えてください。」

と言ったように

最初から聞くべき項目が決まっていて

質問を次々と投げかけていきます。

これに対して「対話型面接」の特徴は

最初に投げかけた質問に対する

応募者の回答次第で

会話が自由自在に展開して行きます。

つまり、最初から決められた筋書きが無いのです。

大変柔軟性豊かな面接方法です。

簡単に言えば

井戸畑会議や雑談のように

面接官が感じた事や

ふと思いついた話題などにもとづき

柔軟に展開していきます。

Aさん:「今の会社では人事制度上
     頑張ってもなかなか給与が上がらないんです。
     やはり、成果に応じて稼げるような会社で働きたいです。」

面接官:「なるほど。
      具体的にはどれぐらい稼ぎたいのですか?」

Aさん:「そうですね。
     明確にいくらということはないのですが
     近い将来、年収2000万円は稼げるようになりたいです。」

面接官:「2000万円!!
      それはすごい。
      私もそれぐらい稼げるようになりたいです。
      でも、そんなに稼いでどうするんですか?
      何かお金のかかる趣味があるとか
      家を買いたいとか目標があるんですか?」

Aさん:「そう言われると特別何かあるわけではないですね・・・・・。

     でも、東京では何かとお金がかかるなあと実感していますので

     稼ぎが多いに越したことはないと

     漠然と考えています。」

面接官:「確かにそうですね。

      でも東京の都心に住んだ場合
      いくら稼いだら十分だと言えますかね?

      東京なら年収5000万円とか1億円以上の人もたくさんいますよね。

      年収2000万円と5000万円とでは
      どれぐらい生活レベルが違うんでしょうね?」

Aさん:「うーん、どちらも経験したことがないので
     全く想像ができません。
     改めてそう考えると
     本当の意味で自分にとって
     お金はそれほど絶対的な目的ではないのかもしれませんね。」

この会話をお読みいただいて

皆さんは、どのようにお感じになりますか?

途中からは直接面接とは関係ない話に脱線しているように見えますが

実はこの会話からAさんの本質的な考え方が見えてきます。

多分、単純に幾ら稼ぎたいか? 

という質問で終わっていたら

「年収を上げる事が転職の目的になってしまっている」

と判断されて終わっていたでしょう。

対話型でリラックスした雰囲気で話す事によって

応募者の本音を引き出しやすくなります。

もっと言えば、応募者自信も気づいていなかった事に

気づいていただく事ができるかもしれません。

逆に、詰問型面接を想定して面接に臨んだ場合

表面的な回答を繰り返すだけで終ってしまい

「ボロが出てしまう」という可能性もあります。

ただ、対話型面接を実施するためには

面接官の高い能力(柔軟性・質問力・展開力・洞察力など)が必要です。

しかし、「詰問型面接」より深い気づきを得られるでしょう。

そうすれば、面接結果の合否とは関係なく

応募者に良い印象を持っていただけると思います。

皆さんの会社では

どのような面接を実施されているでしょうか?

時には、自社の面接のあり方を再考してみると

より奥行のある採用活動ができるでしょう。

実際、「対話型面接」を実施されている企業では

内定辞退が少なく

入社後の定着率も高いという成果が出ています。

「トマトがトマトであるかぎり
 それはほんもの
 トマトをメロンに
 見せようとするから
 にせものとなる」                      みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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