「求人要件の枠を超えた提案」

先日、人材紹介コンサルタント（キャリアコンサルタント）未経験の

お若いＡさんからこんなご質問をいただきました。

Ａさん：「紹介案件が無い求職者の方に対しての対応は難しくないですか？
　　　　　求人はありませんとハッキリ言うのもお気の毒な気がしますし
　　　　　かといって期待を持たせるのも良くないですよね？」

私：「確かにそうですね。
　　　ただ、本当にどこにもご紹介できない場合は
　　　丁重にその旨をお伝えするしかないですね。
　　　しかし、本当にどこにも紹介できないのか？という部分は
　　　きちんと精査しなければならないと思います。」

Ａさん：「ご本人の希望に無理があるという事ですか？」

私：「勿論そんなケースありますが
　　　それ以上に大切なのは
　　　提案できる企業がないのかどうか？
　　　という事を我々が考えなければいけませんね。
　　　経験は足りないけれど
　　　お人柄が素晴らしいとか
　　　意欲が高いとか
　　　異なる経験だけど親和性があるとか
　　　様々な角度から提案の余地がないかを考える必要があります。」

人材紹介コンサルタント（キャリアコンサルタント）にとって

企業からヒアリングした求人要件の枠を超えていかに提案できるか？

という部分は、この仕事の肝だと思います。

キャンディデートの経験や能力は変えようがありません。

しかし、企業側の採用方針はその時の状況によって

変えられる可能性があります。

また、実はＭＵＳＴではない経験・能力まで要求していたり

マネジメントや育成方針次第で

採用する人材の幅を広げられる事もあります。

ただ、この提案の難しさは

クライアント企業の事業や組織はもちろん

転職市場やキャンディデートに関して

熟知していなければできないという点です。

幅を広げるというお題目のもとに

深く考えず何でも紹介してしまっては

クライアントとの信頼関係を損ないます。

我々がどのようにフィルターをかけるかという所に

エージェントの存在意義もありますからね。

この「求人要件の枠を超えた提案」と言うのは

ベテランの人材コンサルタントになっても永遠の課題であり

この仕事の醍醐味とも言えるでしょう。

「張りすぎてもだめ
　たるんでもだめ
　ちょうどいいあんばいが
　一番いい」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 みつを

合掌。