「今の社長さんが辞めたら紹介します」
毎週数件、新規のお客様(求人企業)から
「人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)を紹介してくれませんか?」
という有難いお問い合わせをいただきます。
ただ、現状は需要過多で
人材コンサルタント求人が大変多い割に
ご登録者が全然足りないので
その辺の事情をご説明して
60~70%は大変申し訳ないのですが
お取引を辞退させていただいております。
ご紹介できる可能性が無いのに
ご期待だけ持たせてしまっては
もっと申し訳ない事になるからです。
もちろん、一通りヒアリングさせていただいた上で
「これは可能性があるな」
と思う人材紹介会社の求人は受けさせていただきます。
そういう会社は、社長さん自らお電話をいただいたり
メールを頂戴する事が多いです。
「社長さんが本気である」 とか
「社長さん自ら採用に関わる」 とか
そういう姿勢に一番着目しています。
秘書さんとか採用ご担当者とかに
問い合わせをさせる会社は
ほとんどその時点で
「こりゃ厳しいな」
と思ってしまいます。
ほんの数社の大手人材紹介会社を除けば
せいぜい数十人未満の中小企業だらけなのに
一番重要な人材コンサルタント採用に
社長さんが率先して関わらないという姿勢が理解できませんし
多分考え方に共感できないので
お取引口座を開いていただいたところで
良いサービスを提供できる自信が無いのです。
先日も社長さんの秘書さんらしきAさんから
こんなお電話をいただきました。
私:「はい、(株)プロフェッショナル・サーチです。」
Aさん:「はじめまして。
私は、X社のAと申します。」
私:「はじめまして。
武谷(たけや)と申します。」
Aさん:「あー、社長さんですね。
この度はお願いがあってお電話しました。」
私:「お電話いただき、ありがとうございます。
どのようなお問い合わせでしょうか?」
Aさん:「弊社は人材派遣や人材紹介をやっている会社です。
派遣は以前からやっていますので順調なのですが
紹介事業がなかなか軌道に乗りません。
そこでお願いですが
弊社の人材紹介事業部長ができるような人材を
ご紹介いただけないでしょうか?」
私:「やっぱり、そのお話ですか?」
Aさん:「え!!
やっぱりとは?」
私:「御社の人材紹介事業部長さんが入社されては
ことごとく社長さんとうまく行かなくなって
短期間で辞めてしまうという話は有名です。」
Aさん:「そうなんですか?」
私:「はい。
私自身、元事業部長さんのご相談に乗ったこともあります。
紹介事業部の元社員の方のご相談に乗った事もあります。」
Aさん:「そうなんですね?」
私:「はい。
皆さん、転職理由が全く同じなんですよ。」
Aさん:「そうなんですか?」
私:「はい。
面接では社長さんが
『私は紹介の事はわからないから君に任せるよ。長い目で見るから。』
と言われたので入社したけれど
任せるどころか大変細々した事まで口を出すばかりか
非常に短期的に結果を求められる。
『どうしてすぐに売上10億円ぐらいできないんだ!!』 とかですね。
また、人材紹介に人材派遣のマネジメント手法を持ち込まれるので
これでは立ち上がるものも立ち上がらない。
きちんと議論をしようと持ちかけても
『お前がそんなできない人間とは思わなかった。文句があるなら辞めろ!!』
と言われてしまい、全く議論の余地もないと。」
Aさん:「そうなんですか?」
私:「はい。
ごめんなさい。
Aさんが悪いわけじゃないので
私がこんな事を言っていると
社長さんに伝えていただけますか?
もしできれば、今、社長さんにお電話を代わっていただけませんか?
私自身が確認したいので、宜しくお願い致します。」
Aさん:「は、はい。
わかりました。
少々お待ちください。
・・・・・・・・・・・・・・・・。」(2~3分)
Aさん:「もしもし、お待たせして済みません。
社長は他の仕事で電話には出られないそうです。」
私:「ありがとうございます。
Aさんも大変ですね。
承知致しました。
社長さんが交代して
まともな人が社長さんになったら
その時にお取引させていただきます。
宜しくお伝えください。」
Aさん:「は、はい。」
成功報酬さえお支払いただければ、どんな求人でも受けるという営業方針ではありません。
何でも受けるエージェントは
ただのブローカーだと考えております。
申し訳ありませんが、お客様は選ばせていただきます。
私たちは、クライアント企業に対しての責任がありますが
入社していただく人に対しても責任があります。
双方Win-Winの関係になっていただくためには
間に入っている我々がちゃんとセグメント機能を果たす必要があります。
ゼグメント機能を果たす事によって
失敗の少ない採用と失敗の少ない転職を実現する。
それが、人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の介在価値です。
「なるべくなら
うそのないほうがいい」 みつを
合掌。