「メッシしかいらない?」
人材紹介事業というものは、大変シンプルなビジネスモデルです。
人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)一人一人の
業績の総和が会社の業績ですから
個人の力量に依存する部分が大きな事業です。
もちろん人材紹介業だけではなく
特に無形商材の営業やサービスを行う企業では
同じような事が言えると思います。
そんな事業において
マネジメントをするというのはシンプルなようで
これもなかなか属人的な難しさがあります。
最終的な目標は
自分が担当する部門やグループの売上や利益目標を達成する事ですが
そのためにはメンバー個々人の個性や実力に合わせて
一人一人に寄り添うきめ細かいマネジメントが必要です。
個人の業績には必ず差が出ます。
実力の差、経験の差もあるでしょう。
担当するクライアントや業界など
個人の力とは関係ない部分も影響します。
人材コンサルタント個々人のコンディションによって
調子が良い時も悪い時もあります。
これらの要素を踏まえた上で
極力不公平感が生じないように
一人一人に配慮しながら
営業方針を決めていくのは
絶対的な答のない難しいマネジメントでもあります。
以前、ある人材紹介コンサルタントのAさんからこんな話を聞きました。
Aさん:「以前私がいた会社には
とんでもない暴君的な上司がいたんです。」
私:「ほー、どんな人ですか?」
Aさん:「とにかく数字を上げるメンバーばかりを
あからさまに可愛がるのです。
業績が厳しいメンバーに対しては
業績を上げるために何をするか?
というような指導やアドバイスは一切しないで
お前はもうコンサルタントをやらなくていいので
売れるコンサルタントのアシスタントをやれ!!
とか言うんですよ。」
私:「なるほど。
それはちょっと酷いですね。」
Aさん:「それについて問題提起をしたら
俺のチームにはメッシしか要らないんだ!!
と切れられまして
それ以上言葉がありませんでした。」
メッシは確かに素晴らしい選手ですが
サッカーの試合は一人では成り立ちませんよね。
野球も全員が4番バッターではありません。
エースの調子が悪い時に助けてくれるメンバーや
数字以外の部分で重要な役割を担っているメンバーもいるはずです。
エース級の人材コンサルタントを増やす事も大切ですが
本当に強い組織というのは
しっかり底上げができている組織だと思います。
「底上げができている」=「サービスレベルが高い」=「生産性が高い」
だと思います。
そしてマネジメントにおける本当の難しさは
この「組織全体の底上げ」ではないかと思います。
皆さんの組織はいかがでしょうか?
「名もない草も
実をつける
いのちいっぱいの
花を咲かせて」 みつを
合掌。