「人材コンサルタントのやせ我慢？」

人材紹介コンサルタント（キャリアコンサルタント）の皆さんにとって

一番がっかりする残念な事の一つが

「内定辞退」ではないかと思います。

この仕事は、求人企業から内定をいただいても

最終的にキャンディデートが受諾して入社しなければ

売上には繋がりませんね。

たとえそこに至るまで長いプロセスと困難な交渉があったとしても

結果としてキャンディデートがご入社されなければ

その努力の対価はゼロになってしまいます。

ですから、最後にキャンディデートがクライアントのオファーを受諾してくださるよう

皆さんは様々な形でクロージングをされているのではないかと思います。

・会食をして様々な疑問点や不安点を払拭できるようお話をする。

・内定企業から電話やメールなどでラブコールを送っていただく。

・実際に一緒にお仕事することになる方々との会食の場をセッティングしていただく。

しかし、最終的に決めるのはキャンディデートご本人ですから

何をしてもどうにもならない事もあります。

「それでも最後までできる事は全てやりたい」

というのが人材コンサルタントの正直な気持ちですね。

キャンディデートが最終決定するにあたっても状況は色々です。

・条件面が希望するものではなかった。

・入社後のイメージが明確でなく不安である。

・家族や現職の上司から強い反対や引き留めがある。

・甲乙つけ難い他社の内定を持っている。

それぞれの状況に合わせて

適切なクロージング方法を考え実行する必要があります。

しかし、どの場合にも共通して言える事は大きく三つあります。

1　キャンディデートが検討できるだけの十分な情報を提供する。

2　気持ちやフィーリングの上で納得して気持ちよく入社できる状況を作る。

3　様々な情報や状況を整理して冷静に判断できるよう導く。

この３つを整えてあげれば

後はキャンディデート自身がしっかり考える事が大切です。

人材紹介コンサルタント（キャリアコンサルタント）が

自分の売上のために無理やり入社を勧めても

実際に働くのはキャンディデート自身なのですから

ご本人が心から納得し

自分で決める事が非常に大切だと思います。

キャンディデートの年齢や経験によっても違いはありますが

この「最後はご本人に委ねる」という感覚も大変重要なのではないでしょうか？

「人事を尽くして天命を待つ」と言いますが

人材紹介コンサルタント（キャリアコンサルタント）のクロージングとは

正にそんな感じなのかも知れません。

その意味でも、私は「クロージング」という言葉は好きではありません。

そこに、人材コンサルタントの恣意性を感じてしまうからです。

当然ビジネスですから

私がご紹介した会社を選んでいただきたいのは山々です。

しかし、「クロージング」などしなくても

決まるべくしてご縁のある会社に決まる。

そのように自然なカタチを大切にして

最後の意思決定はキャンディデートの皆さんに委ねたいと思います。

こんな「やせ我慢」もこの仕事の宿命かと。

「花はただ咲く
　ただひたすらに」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　みつを

合掌。