「損得だけで動くのは嫌ですが、生き残るためには損得も大事ですね」
「損得がはっきりしないヤツは信用できない」
昔の上司の口癖です。
若い頃の私は
この言葉に内心反発していました。
「目先の損得に惑わされない
私心の無い言動にこそ
人間的な価値がある」
と思っていたからです。
しかし、そんな偉そうな事を言う私も
90%以上は目先の損得で動いているような気がします。
上司が言いたかったのは
「損得を封じ込めると真実が見えなくなる」
という事だったのでしょうか?
この表現では、きれいすぎますね。
もっとわかりやすく言えば
「損得をはっきりさせないと本音が見えない。
本音の見えない人間は信用できない。」
という事でしょうかね。
その観点から
オリンピック・パラリンピック招致や
ワールドカップ招致のロビー活動の内容は
どんな話をするのか聞いてみたいです。
露骨な利益誘導は敬遠されるでしょうが
結果として
「東京に投票してくれたら
貴方や貴方の国にこんな良い事がありますよ」
という事を遠回しに上品に伝えるという事ですよね。
という事は
事前に相手の好み
相手が得する事
相手の利害関係者の事などを
事前に詳細に調査しておく必要があります。
相手が好きな餌を熟知しておく必要があります。
「相手の損得を知っている」 ⇒ 「好きな餌を与える」 ⇒ 「招致成功」
という下品な言い方ですが
わかりやすい構図です。
日本人である私は
「そんなのは嫌らしい」
と思ってしまいます。
しかし、他国がそんな流儀で戦って来る以上
日本だけが 「ぼー」 としているわけにはいきません。
東京オリンピック・パラリンピック招致の
最終プレゼンは全て外国語でした。
それも英語よりフランス語が目立ち、インパクトがありました。
IOCの第一言語がフランス語だからのようです。
やはり、相手が好む言語でプレゼンした事が功を奏したわけですね。
私もブログでは 「きれい事」 を書いていますが
現実主義者です。
それでもよければ
「お・も・て・な・し」
させていただきます。
「一番わかっているようで
一番わからぬ
この自分」 みつを
合掌。