「年収が高すぎる人材コンサルタントの悩み」
給料の安い人材紹介会社で働くのも大変ですが
給料が高すぎる人材紹介会社で働くのも考えものです。
次の転職先の選択肢が極端に狭まるからです。
先日も優秀な人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)のAさんが
数年ぶりに相談にお越しになりました。
安定した業績を上げ、これまでの会社では常にトップコンサルタントです。
そんなAさんに人生の転機が訪れました。
ご結婚、お子さんの誕生、住宅購入です。
Aさん:「次の会社では稼がないといけないので、給与条件を最優先に選びます。」
との事で現在の会社に転職されました。
その決意の通り現在の会社でも業績を上げて
固定給とインセンティブを含め
高年収を維持されています。
粗利益の40%程度が年収です。
粗利益が3000万円であれば、年収1200万円です。
かなりいいでしょう?
フルコミの人材紹介会社であれば
固定給が無いので粗利益の50%でも当り前です。
「固定給ゼロ」 という大きなリスクを背負っていますからね。
更に、正社員ではなく業務委託契約ですから
社会保険も無いのが普通です。
正社員で且つ、固定給があるのに粗利益の40%もらえる会社はなかなかありません。
少なくとも当社のクライアントの中では1~2社です。
私:「Aさん、そんな事情ですので
ご期待に沿えなくて申し訳ないのですが
今すぐにご紹介できる求人が無いのです。」
と申し上げて、泣く泣くお帰りいただきました。
しかし、今回のAさんの転職理由には考えさせられました。
Aさん:「前回は金銭的な都合で給与条件を優先して今の会社を選びました。
しかし、あまりにものんびりした会社で
学ぶものや刺激を受ける人も無く
このままでいいのだろうかとずっと考えていました。」
私:「贅沢な悩みですね。
現状に甘んじて、このまま他社では使いものにならないコンサルタントになるか?
年収が下がっても、どこでも通用するコンサルタントになるか?
それは貴方次第ですね。」
Aさん:「わかっています。
ただ現在の生活も維持しなければならないので悩んでいるんです。」
私:「そうですね。
事情はわかりますが
今のような生ぬるい会社から厳しい会社に転職するのは
心身ともに容易じゃないですよ。
好き勝手に動けないし
細かくマネジメントされる事も覚悟してください。
それでも年収は確実に下がります。」
Aさん:「ある程度は覚悟しています。」
私:「ある程度ぐらいじゃ駄目です。
一旦新卒に戻るぐらいの覚悟をしてください。
それぐらい別世界です。」
Aさん:「わかりました。
もっと考えて出直して来ます。」
私:「そうですね。
自信があるなら独立されたらどうですか?
Aさんならできますよ。」
Aさん:「いや、それはもっと自分を鍛えて本当に自信ができたら考えます。
現状ではリスクが大きすぎると思います。」
私:「そうですか?
そう言いながら年を取る方が余程リスクが大きいと思いますが
またご連絡ください。」
Aさん、前回は 「井の中の蛙」 で自信満々でしたが、すごく謙虚になりましたね。
正直、前回よりずっと好感を持ちました。
「上には上がいる。このままでは駄目だ。」 と気がついただけでも立派だと思います。
微力ながらサポートさせていただきますので
今後とも宜しくお願い致します。
「なやみはつきないな
生きているんだもの」 みつを
合掌。