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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「昔は転職に対する罪悪感が強かった?」

「昔は転職に対する罪悪感が強かった?」

私が法人営業を経験した後

人材紹介コンサルタント(キャリアアドバイザー)としてデビューした27年前は

まだ世相的に 「転職に対する罪悪感」 があった。

第二新卒の若者が転職するなど

とんでもない話だった。

まさに 「石の上にも三年」 は頑張りなさいという世相だった。

人材紹介会社の敷居も高く

気軽に相談に来るような人はあまりいなかった。

登録するには相当な勇気や決意が必要だったと思う。

職務経歴書を見ても

20代で複数の転職歴がある人は少なかった。

実際、20代で転職歴がある人は、ほとんど書類選考で不合格になった。

20代で3社とか4社経験の人は

相談のみで求人紹介はお断りしていたぐらいだ。

転職歴が多い人を

採用する求人企業が無かったのだから仕方ない。

一方で求人企業サイドは

昔から中途採用を行っていた大企業もあったが

エンジニアを必要とする製造メーカーやIT企業が圧倒的に中心だった。

しかし、多くの大手上場企業に新規開拓のTELアポをしても

「中途採用? 

そんなの採用しなくても

うちは毎年優秀な新卒を採用しているから必要ないよ。」

と自慢気に言う人事担当者が多かった。

まだ終身雇用や年功序列の文化が色濃く残っていた。

この世相を大きく変えたのは、バブルとバブル崩壊だ。

バブルよって人材採用需要が過熱し

新卒で入れなかった大企業にも

中途で入れるようになった。

第二新卒採用ブームが起きたのは、この頃だった。

そして1993年あたりからバブル崩壊の大不況になった。

初のリストラに踏み切る企業が急増し

終身雇用や年功序列が崩壊した。

採用市場にバブルとバブル崩壊が与えた影響はとてつもなく大きい。

リーマンショックとは比較にならないほど大きな影響を与えた。

日本の銀行が巨額の負債を長期に渡り抱えたバブル崩壊と

それが少なかったリーマンショックとでは

経済に与えるインパクトが全く違った。

実際、2008年のリーマンショックから2年後の

2010年から求人件数が回復し始めたが

バブル崩壊の時は回復の兆しが出るまでに5年以上要している。

こんな歴史があって

日本経済が衰退し

終身雇用や年功序列の文化が崩壊した。

この期間を 「失われた20年」 と呼ぶ人もいる。

更に、グローバルスタンダードと言う名の欧米規格統一主義が始まり

ボーダレスの経済競争社会になり

雇用や採用に関しても欧米文化が入ってきた。

1 新卒より中途採用こそがスタンダードで転職するのは当たり前

2 終身雇用や年功序列ではなく能力と結果で評価し、駄目な人は辞めてもらう。

3 企業は中長期的な観点で社員を育てなくなり、社員のロイヤリティーは顕著に低下した。

そして、 「転職に対する罪悪感」 は払拭され

むしろ 「転職できる人は優秀」 という雰囲気すら蔓延している。

大手人材紹介会社や転職サイト運営会社も

この雰囲気を利用し助長したと言われても仕方ない。

一番の問題は、本質的なキャリア形成論が成熟していないことではないかと思う。

単純に 「転職は良い事か? 悪い事か?」 ではなく

「貴方は何が得意で何を目指し、どのようなスタイルで働きたいのか?

どのように社会に貢献し、結果としてどれぐらいの収入を得たいのか?」

このような本質的な議論がされず

単純に転職する人が増えてしまった印象だ。

自分なりのキャリアプランを持っていれば

目的のために必要なら転職するし

必要ないなら我慢もする。

我々、人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)としても

そのような本質論を常に考えるべきではないかと思う。

「にんげんはねえ

 追いつめられると

 弱いもんだな

 ひとごとじゃない 

 自分のこと」                                   みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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