「御社はどんな人事考課をされていますか?」
御社にも 「盛り上げ役」 「ムードメーカー」 と言われる人がいるでしょうか?
どこの会社にもだいたい一人か二人います。
いつも元気で周囲を気遣い励まし
自分の事は後回しで雰囲気を良くしてくれます。
私は、こういう人が大好きです。
こういう人がいてくれると
組織にとって
とてもありがたいです。
ある意味で重要なマネジメント機能を発揮してくれているとも言えます。
しかし、このような有難い人が業績上位者であるとは限りません。
「上・中・下」 で言うと
中以下だったりする場合も少なくありません。
「下」 では困りますが
「中の下」 ぐらいなら
私は十分許容範囲です。
辞めるより絶対にいてもらいたい。
メンバーの人事評価をする際に
昔、リクルートでは 「業績」、「能力」、「行動(執務態度)」 という項目がありました。
後に 「業績」 と 「課題設定・解決力」 のようになった時期がありました。
JACでは、 「業績」 と 「行動」 だったと思います。
インテリジェンスでは 「定量」 と 「定性」 と言う分け方をしているそうです。
だいたい考えている方向は同じですね。
業績は重要ですが
それだけで評価するのではなく
仕事のプロセスや周囲への影響力
個人だけではなく
グループや会社に対する貢献度も考慮するという意味です。
でも、実際には運用が難しいですよね?
業績以外の部分でどれぐらい納得感のある公正な評価ができるか?
私は、公正な目標設定がされている前提に立てば
「業績」 はデジタルに評価するしかないと考えています。
「絶対額」より「達成率」を重視します。
「絶対額」評価は
担当する業界次第で大きな差が出るケースが多いからです。
同一人物の人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)でも
人事異動で担当業界が変われば
絶対額は半分になったり
2倍になったりするのが当り前です。
更に言うと
既存顧客担当と新規開拓担当とでも全然違うでしょう?
更には
大手クライアント担当と中小ベンチャー担当とでも全く絶対額は変わります。
小規模の人材紹介会社では人事異動などほとんどしませんから
「絶対額」重視の評価がシンプルでフィットするでしょう。
だから、「固定給+インセンティブ」制もフィットしやすい。
しかし、ある程度大きな人材紹介会社では人事異動は日常茶飯事です。
勝手に異動させれて売上が半分になったからと言って
年収も半分にされたらやってられません。
だから、絶対額ではなく目標達成率評価の方が公正です。
目標1億円で結果が1.2億円の人と
目標2億円で結果が2.4億円の人の評価は
共に目標達成率120%ですから
理論上は同じ評点になります。
ただ、2.4億円やった人の方が明らかに忙しく
心身ともに大変だったという事が周知の事実なら
少し評点を上乗せする程度です。
業績評価の話はこれぐらいにします。
話を 「行動評価」・「定性評価」に戻しましょう。
これは、上司がメンバーの事をどれぐらいちゃんと見ているかがわかってしまうので
大変重要な人事考課項目です。
会社や上司の方向や価値観を表す重要な評価項目です。
結果として
この「行動評価」=「定性評価」の評点が高いメンバーが将来の取締役候補です。
例えば、既に役員になったA君がメンバーだった時
私が 「業績12:行動13」 という評点を付けたことがあります。
「行動の13点は全社トップでお前だけだ。
他のマネージャーもお前の組織全体に対する貢献度を認めてくれた。
俺は業績点より行動点を重視している。
目先のボーナスより、この会社を背負っていくつもりで今後も頑張ってくれ。」
その当時、どこまで理解してくれましたかね?
多分わかってくれていたと思うのですが。
良い業績を上げてくれるメンバーは多数いますが
経営者候補のメンバーはそれと同時に
組織の課題発見や解決策の提案を積極的に行い、自らそれを実行推進することもできます。
課題形成・解決力、周囲を巻き込んで組織を動かす力を持っています。
上司・同僚・部下・契約社員・アルバイトの人も含めて
周囲から認められていないとできない仕事です。
数百人に一人しか現れないでしょうが
このようなメンバーを採用し
力を存分に発揮してもらい
それを正当に評価する人事考課を行う事によって
組織が活性度が高まり
会社の成長・発展につながります。
「人は誰でも、
天から一通の手紙を受け取っている。
そこには天職、使命が書いてある。」
「名もない草も
実をつける
いのちいっぱいの
花を咲かせて」 みつを
合掌。