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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「インセンティブ制度の功罪」

「インセンティブ制度の功罪」

多くの人材紹介会社が、インセンティブ制度を導入している。

人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)個人の

粗利益の30%程度を年収として還元する会社が多い。

やればやっただけ年収は青天井で高くなり

できなっかたらその分年収は下がる。

大変わかりやすい制度である。

マイクロマネジメントが嫌いな人材紹介コンサルタントは

このようなシンプルな制度を好む傾向があり

高い年収を稼ぐためにガンガン働く。

しかし、これを放置しておくと

人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の

個人商店化が進んでしまう。

個人商店化が進むと

人材コンサルタント同士が求人・求職情報を共有しなくなり

機会損失が起こる。

従って、インセンティブ制度を導入している人材紹介会社は

機会損失が起こらないようにするため

求人・求職情報共有のための業務ルールを定めているケースが多い。

しかし、業務ルールが定められていても

それがきちんと運用されている会社と

そうでない会社がある。

どちらかと言えば後者が多いかもしれない。

業務ルールが形骸化し、機会損失が起こっている会社も多い。

例えば、同じグループ内では情報共有されているが

他のグループとはされていないというような

セクショナリズムの要因になっている事もある。

また、仲の良いコンサルタントとだけは情報共有しているが

そうでないコンサルタントとはしていないというケースもよくある話だ。

従って、年収に占めるインセンティブ比率が高い会社ほど

機会損失の危険性が高まるので要注意だ。

また、業績の良いコンサルタントが退職し独立されてしまうリスクも高まる。

従って、私は安易に高率なインセンティブ制度を導入しない方が良いと考えている。

お金に頼って人材紹介コンサルタントをマネジメントしようとすると

経営者自身がお金に縛られて身動きができなくなる。

導入する場合は

年収に占めるインセンティブ比率をあまり高くしない方が安全である。

一定以上の固定給を払い

ある程度安定した生活はできるようにした上で

インセンティブを上乗せで支給してあげる。

面倒ではあるが

できれば半年や1年ごとに個人別に人事考課を行い

定量評価と定性評価を行う。

その上で、総合的に貢献度の高いコンサルタントから順番に

それなりのボーナスを払う。

そうすれば、定性評価の部分に経営の意志を反映する事ができる。

これによって、経営方針と人事給与制度とが一貫性を持ってつながる。

ここまでやってはじめてマネジメントと呼べる体制が整う。

先人の教えにこのような一説がある。

「奨励金なるものは、絶対に取り入れてはならない。」       一倉 定

 奨励金なるものは、それがどのようなものであれ、

事業経営においては絶対に取り入れてはならないということである。

 社員は、それぞれの考えをめぐらして、

奨励金がもっともたくさんとれると思われる行動をとる。

各人の勝手な行動によって、会社の中はバラバラになってしまい、

会社の力を一つに結集することなど思いも及ばなくなる。

 だからといって、これを規制しようとすれば、

社員は「行動を規制されたら、もっと奨励金がもらえると思うことがあっても、

それがやれなくなる」という受け取り方をするに決まっているのだ。

 奨励金というものは、「各人は自分勝手な行動をとってもよい」

という意思表示に他ならないのであり、これは、まさに経営権の放棄であり、

いささかオーバーではあるが、

それは社長の社会的責任を自覚しないことである。」

「にんげん

 我慾のかたまり

 にんげんのわたし」                          みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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