「目先の損得で転職しない人は成功する」

３年前、お目にかかったキャンディデートＡさんの話です。

当時３０代後半で

人材紹介コンサルタント（キャリアコンサルタント）は未経験だったのですが

お人柄・能力共に素晴らしい方でした。

お互いの都合で外で面談したのですが

面談前の電話から好印象でした。

最初は３０代後半で未経験では難しいと思ったのですが

やはりお会いしてみないとわからないですね。

１社目で１０年

現在の２社目では最大組織の営業マネージャーとして結果を出して来られました。

Ａさんが面談場所としてあてにしていた１軒目と２軒目の店が

忘年会のため貸切で入れませんでしたが

フットワーク良く３軒目の店を探していただきました。

結局３軒目の店は

軒下にテーブルと丸椅子、ストーブが置かれてある寒い屋外でした。

Ａさん：「こんな場所で済みません。」

私：「いいえ、構いません。

　　　忘年会シーズンの金曜日の夜だから仕方ないですね。」

しかし、すぐ横で若者二人がタバコをプカプカ吸っているし

こんな場所でＡさんの履歴書や職務経歴書を広げて話すわけにはいきません。

求人企業の資料も広げられません。

メモも取れないような状況でした。

そのような状況でも

Ａさんは過去の転職理由や志望動機をはっきり話していただきました。

ご友人に人材紹介コンサルタント（キャリアコンサルタント）をされている方もいらして

事前に業界研究もされていましたし

以前からこの仕事に興味を持っていたとの事でした。

Ａさん：「実は以前から関心があったんです。

　　　　　でも３０代後半の未経験者でも求人があるのか不安でした。

　　　　　そこで人材紹介コンサルタントをやっている友人に相談したところ

　　　　　『可能性がないことはない』　との事でしたので

　　　　　自分なりにネットで探して１社面接に行きました。」

私：「なぜ関心があったのですか？」

Ａさん：「これまでは学生さんの相談に乗ってきましたが

　　　　　今後は卒業後の社会人の方のサポートをやりたいんです。」

私：「サポートと言っても売上目標もありますし厳しいですけど・・・・・。」

Ａさん：「はい。それは営業なので当然だと思います。」

私：「未経験ですから一旦年収も下がるでしょうし

　　　年下の上司の下で働くことになりますよ。」

Ａさん：「はい。

　　　　　未経験なので当然だと思います。

　　　　　ゼロからのスタートですから覚悟しています。」

私：「そうですか？

　　　そこまで覚悟されていらっしゃるなら可能性があると思います。

　　　私から何社か

　　　Ａさんに良いと思う人材紹介会社をご紹介させていただきます。」

Ａさん：「ありがとうございます。

　　　　　是非宜しくお願い致します。」

私：「では今から社名を申し上げるので

　　　この場で検索してみていただけますか？」

このような展開で

各社の特徴や社長の魅力などをご説明し

じっくりご検討いただいた上で

後日応募意志の有無をお伝えいただけるようにお話して別れました。

Ａさん：「では、土日に検討しまして、日曜日にはご連絡します。」

その結果、３社ご応募いただくことになりました。

そして、すぐに２社から面接連絡があり

１社目の面接に臨んでいただきました。

一番志望度の高い会社の面接でした。

面接終了後、まずはＡさんからお電話をいただきました。

Ａさん：「社長さんをはじめ複数の方々とお会いできました。

　　　　　お話の内容に共感できる事が多く

　　　　　面接前より志望度が高くなりました！！」

その後すぐに、応募先企業の営業部長さんからもお電話をいただきました。

部長：「お人柄が素晴らしくバランスの良い方ですね。

　　　　当社としては前向きに考えています。」

このように面接選考は順調に進み

その後、Ａさんは見事採用されました。

そして、初年度から業績を上げ

入社１年後にはマネージャーに抜擢されました。

今では会社の中核としてご活躍されています。

自社採用の面接官もご担当されています。

「やりたい事をやれるのだから

　過去の年収や地位にはこだわらない。

　１ではなくゼロからのスタートだ。」

本気でこのように思っている人は強いですね。

ここまで腹をくくれば

「道は開ける」　のだと

私が元気をいただきました。

Ａさん、今年も年賀状をいただき

誠にありがとうございます。

近日、久しぶりに飲めるといいですね。

「生きていて

　よかった

　生かされてきて

　よかった

　あなたに

　めぐり

　逢えたから」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　みつを

合掌。