「SPIと人材紹介コンサルタント適性との相関関係は?」
数年前、リクルートエージェントの大幹部2名と飲んだ時
こんな話題が出た。
昔、片方の大幹部を採用した時
SPIの基礎能力点が低いという理由から一旦内定出しを保留。
勉強してもらって再受験させ
点数を引き上げて役員から内定決済をとった。
今ではその時の内定者が役員。
笑い話だ。
この大幹部の同期のトップコンサルタントも
それほど高い点数ではなかった。
SPIは性格適性部分はある程度参考になるだろうが
言語能力、非言語能力の点数は偏差値50程度でも何とかなる。
60あれば相当優秀。
人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の仕事は
頭の良さだけでなく感性(右脳)が重要なのだ。
偏差値70以上で 「7-7-7」 という勉強ができるタイプは
1000人中3人程度の出現率。
本来、頭が良すぎて現場の営業向きじゃない。
一応2~3年現場で営業を経験させたら
その後は経理・財務・人事・経営企画・マーケティング・システムなど
左脳を使う仕事にローテーションした方がいい。
そこで内勤仕事に飽きて現場に戻りたくなったら
現場に戻してプレイヤーなりマネージャーをやってもらえばいい。
そんなローテーションを積極的に行う事によって
組織に厚みと戦略性が備わるのだ。
先日、パソナキャリアカンパニーの渡辺プレジデントにお会いしたら
同じご意見をお持ちだった。
過去のリクルートエージェントとJACでの採用経験を顧みて
「7-7-7」 で営業ができた人は
アイレップ社の創業者で前会長の高山先生ぐらいだ。
彼はおもしろい人で
入社前の意欲点は大変低かった。
前年リクルートコスモスに内定していたのに留年して内定取り消し。
「ケダモノ野田」と同じ神戸大学出身で友人という理由で強引に採用した。
ディベロッパーと人材ビジネスとは違うので
最初はやる気が無かったのだろう。
しかし、入社後は新規開拓即決マシーンで新人時代から頭角を現した。
そして最短でマネージャー昇進。
でもやっぱり30歳(奥さんと赤ちゃんがいるのに)で何のあてもなく退職し
しばらく迷走した後、起業し上場まで持って行った。
要するに、人材紹介業では飽き足らなかったのだ。
「7-7-7」 の人は、人材紹介業の現場営業だけでは続かない。
もったいない。
その優れた左脳を他の仕事にも活かした方がいい。
思い出したが
鬼マネージャーとその親友の鈴木さんは二人とも 「7-7-7」 だが
何でもできたのでホンモノのエリートだった。
リクルートグループ全体を見渡せば
このような万能選手は多数いるが
私が知っている 「7-7-7」 は内勤向きの人間の方が圧倒的に多い。
「4-4-4」とか「5-5-5」ぐらいの凡人が
人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)には丁度良い。
頭が良くて考えすぎる人は続かない。
考えるより行動力と感性(右脳)が大事だから。
「3-3-3」 で部長になった人もいる。
さすがの私も当時の人事マネージャーに言ったら一喝された。
私:「いくら人物重視と言ってもこの点数は低すぎるでしょう?」
人事マネージャー:「武谷(たけや)、お前もこんなもんやで。
6とか7とか取るヤツは東大、京大、一橋、
早慶でも上の学部の人間だけやで。」
一言も無かった。
確かに仕事での業績はSPIとは関係なかった。
しかし、同じ人材系でもグローバルサーチファームは違う。
先日、あるグローバルサーチファームの著名な社長さんから電話がかかってきた。
社長:「武谷(たけや)さん、わかりますよね?」
私:「やっぱりMBAホルダーじゃないと駄目ですか?」
社長:「MBAは必要ないけど、日本の大学はそれなりのところじゃないとね。」
私:「やっぱりブランドビジネスですからね。」
昔、鬼マネージャーが退職した時
そのグローバルサーチファームにも内定していた。
鬼マネージャー:「武谷(たけや)さ
サーチファームってのはさ、ブランド商売なんだよ。
学齢と職歴で経営者をびびらせて前金取るんだよな。
だからコンサルタントの学齢と職歴が目立つように書いてあるだろう?
経歴がそのまま宣伝であり営業なんだよ。」
私:「なるほど。
それで実際に会って嫌味無く営業されたら相手はイチコロですね。」
鬼マネージャー:「お前もやっと世の中の仕組みがわかってきたな。」
「点数
にんげんはねえ
人から点数をつけられるために
この世に生まれてきたのではないんだよ
にんげんがさき
点数は後」 みつを
合掌。