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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「マネジメント志向の人へ」

「マネジメント志向の人へ」

人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の中で

「どうしてもマネージャーになりたい」

という人がいる。

特に大手人材紹介会社の人だが

これはこれで健全な感覚だと思う。

自分だけ業績を上げるのではなく

複数のメンバーをマネジメントして成長してもらって

全員で目標達成の喜びを分かち合いたい。

私も若い頃は同じように考えていたし

マネージャーにあこがれていた。

しかし、願望と適性は別だ。

マネージャーになりたい人には必要な要件がある。

・メンバーに強い関心があり、メンバーの気持ちがわかる。

・メンバーの話を聞きながらも、自分の中に判断軸やビジョンを持っている。

・要するに、メンバーが今の事を考えているとすれば

マネージャーは今の事も半年先の事も同時に考えなければいけない。

・半年先を考えることが、グループ戦略や人材育成につながる。

・戦略をぶち上げるだけでなく、それを戦術にまで落とし込み

メンバーの日常の行動につなげる思考力や説明能力、リーダーシップが求められる。

・それによって、メンバーに結果を出させて成功体験を積んでもらう。

・また、自分がやりたい事を実践するためには、部長や役員など

上司に対する説得力や説明能力も必要だ。

・そして何より必ず目標を達成するという意志の強さが不可欠だ。

・業績の話だけでなく、事業の意義をメンバーに語れなければならない。

まだまだ要件はあるだろうが

少なくとも上記の要件はある程度満たしてほしい。

ところが、あまり要件を満たしていないのに

「どうしてもマネージャーになりたい」

と言う人もいる。

どうも自分の事をあまり客観的に見れていないようだ。

「ジョハリの窓」のように

「自分が知っている自分」だけでなく

「自分は知らないが他人が知っている自分」

も知らなければ、マネージャーは務まらない。

昔、リクルートでは40項目に渡り

上司(役員・部長)と同僚(課長)

そしてメンバー(部下)からも点数を付けてもらって

その結果をベースにマネージャーが血祭りにあげられる研修があった。

点数表から読み取れる自分の長所と課題を書き出す。

そして、みんなの前で自己分析結果と今後の開発目標、具体的な行動目標を発表する。

自分の内面を丸裸にされるので大変恥ずかしい。

全体的に平均点が高く

自己分析も開発目標もちゃんとできているマネージャーは

2時間程度でさっくり終わる。

しかし、平均点が低く

自己分析や開発目標の内容がイマイチなマネージャーは

全員から総攻撃され、深夜や翌日に及ぶ研修となり、その場で泣き出すヤツもいた。

更に、メンバーからの評価があまりに低いマネージャーは

だいたい人事異動させられ

一旦マネジメントからはずされた。

その後は、担当課長(要するにメンバーを持たないプレイヤー課長)となり

しばらく自分を見つめ直す機会が与えられる。

私も30代半ばに、このような左遷人事を経験した。

しかし、これは大変良いリフレッシュの機会となった。

他のマネージャーのマネジメントを客観的に見ることができるし

良い点を数多く吸収できる。

自分に何が欠けていたのかも冷静に考えられる。

そして、コツコツやっていると敗者復活のチャンスが回ってくることもある。

この敗者復活のチャンスだけは逃してはいけない。

再度チャンスをもらったのだから

今度こそ結果を出さないと余程の事が無い限り

もう一度チャンスが回ってくることは無い。

とにかく、人の上に立つ人は

主体性と客観性との両方を持ち合わせていなければならない。

偉そうに言う私も要件を満たしていないので

今は一人でプレイヤーをやっている。

でも、個人的にはマネジメントより

プレイヤーの方が楽しい。

「一番わかっているようで

 一番わからぬこの自分」                   みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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