「偉い社長は自分と異なるタイプの人材を採用する」
私が頼まれる仕事で一番難しいのは
「20代の未経験者でポテンシャルが高い人を頼みます」
という求人だ。
「ポテンシャル」=「可能性」=「基礎能力」+「モチベーション」 ですかね?
この解釈も人材紹介会社によって様々だ。
それから 「社風と性格とのタイプマッチング」 には最も気を遣う。
これも漠然としていて、人それぞれで人に対する見方が違うので難しい。
社長の性格・好み、営業部長の性格・好み、人事担当者の性格・好み、
採用選考プロセスに登場する全ての人の性格・好みを
ある程度把握しておかないと
適格なキャンディデートをご紹介するのは難しい。
そのためには、社長、営業部長、人事担当者と
何度もすり合わせする必要がある。
「何が良くて合格したのか?」
「何が悪くて不合格になったのか?」
詳細を説明してくれるクライアントは少ないので
こちらから聞かないといけない。
しかし、聞いてもはっきり答えてくれない会社もある。
こんな会社は同じ人材紹介業をやっているのにどうかと疑問に思う。
逆にこんな素晴らしい社長さんもいる。
何と自分が受験した適性検査の結果をコピーして、私に渡してくれた。
社長:「武谷(たけや)さん
私がこんな性格なので
採用する人は私の弱みをリカバリーしてくれるタイプが良いと思います。
私がコンセプチャルスキルが強いとすれば
逆に実務家でテクニカルスキルが強い人ですね。
私が熱いタイプだとすれば
そういう面もあるけど冷静な人です。
先走る私を実務家の観点からアドバイスしてくれるような人です。」
私:「ここまでわかりやすく情報開示していただけると大変助かります。
ありがとうございます。」
社長:「いいえ、この程度のものでお役に立てば、是非参考にしてください。」
私:「ところで社長
普通は自分と同じようなタイプを採用する経営者や
自分の言いなりになるようなタイプを採用する経営者が多いのですが
社長はどうして違うのですか?」
社長:「私と同じタイプの人や言いなりになる人をを採用しても
会社の将来にとって意味がありません。
異なるタイプ、異なる能力の人材がいてこそ会社は発展すると思いますし
異なるタイプの人材を活かせないとしたら
私が経営者の器ではないという事だと思います。」
この社長さん、30代前半ですよ。
更に学生時代に起業しているので
サラリーマン経験も無いのです。
そして実際に
社長がイメージされていたような人材を採用され
会社の中核となって長期間ご活躍されています。
このような若くて志が高い経営者がいると知ると
日本も捨てたものではないですね。
社長:「私はサラリーマン経験が無いので
サラリーマンで成功した人から
できるだけ学ぶように意識しています。
逆にサラリーマンが長かった人は
私のような起業家に刺激を受けることもあるかもしれません。
お互いに学びあう、吸収しあう、これが一番大切ですね。」
うー、参るな。
俺はこれまで何をしてきたんだろう?
とにかく、このような素晴らしい経営者を応援します。
「名もない草も
実をつける
いのちいっぱいの
花を咲かせて」 みつを
合掌。