「人材紹介会社の様々な給与制度」
様々な給与制度があるが
考え方の基本になるのは、
人材紹介コンサルタントが稼いだ粗利益の何%を給与として還元するか?
という事だ。
実態の給与制度は、粗利益の20~50%ぐらいまでとかなり幅がある。
一般的に、リクルートキャリアなど大手紹介会社は
RA(法人担当)の年間売上が2億円でも
登録者はたくさんいるし
バックにはCA(個人担当)がいるし
サポートしてくれるアシスタントもいるし
総務・人事・経理・経営企画・法務・システム
その他事業企画などのスタッフも多数いる。
このような周囲の人たちの協力があってこその売上(粗利益)2億円だから
本人の力は四分の一と考えると
実質的にRA本人が稼いだ粗利益は5000万円ぐらいだろう。
この場合のRAの年収が1000万円であれば、対粗利益還元率は20%である。
大手人材紹介会社の給与相場は
だいたい粗利益の20%ぐらいだと思う。
だから、給与水準を上げるためには
組織全体の効率性・生産性を高めるしかない。
それによって、RAの平均粗利益がもっと上がれば
更に社員の給与も上げられる。
しかし、やみくもに給与ばかり上げても仕方ないので
捻出できた利益を更なる生産性向上のための
再投資にあてることによって
成長性や経営の健全性を担保する方が賢明だ。
これが、中小人材紹介会社の場合はどうなるか?
コンサルタント個人への還元率は粗利益の25~33%ぐらいが多い。
年間粗利益3000万円だと年収750~1000万円ぐらいだ。
粗利益2000万円だと年収500~600万円ぐらいだ。
これより年収が低い人は
経営者にぼったくられている可能性があるので
「どのような理由で、私の年収は安いのですか?」
と聞いてみた方がいい。
大手の20%と比較すると還元率は高いが
大手のように分業制でもなく
バックオフィスの人数も少なく
広告投資額も少なく
市場での認知度も低いわけだから
その分は頑張ったコンサルタント個人に還元されて当然だ。
中小エージェントでは
素手でも戦えるような個人力があるコンサルタントが求められている。
大手の2億円プレイヤーと中小の3000万円プレイヤーの年収は同じぐらいで妥当だと思う。
ただ、2億円売り上げるには
平均単価120万円だと約167人の成約が必用だ。
中小で3000万円を売り上げるには
平均単価150万円だと20人の成約で到達できる。
しかし、大手は167人の成約を
莫大な登録者数、知名度、資金力、RA、CA、バックオフィスの協力など
4人がかりぐらいでやっているので、
167人÷4人=42人/人 である。
このように分解すると
平均単価120万円の人材を42人成約する人たちと
平均単価150万円の人材を20人成約する人たちとが
同じぐらいの年収で同業界の中に各々存在している。
業界は同じであるが、仕事の役割分担、業務プロセスが相当異なる。
メーカーの工場の製造ラインスタッフと職人との違いのようだ。
メーカーの工場は大量生産できるが、職人は大量生産できない。
職人は自ずと質にこだわるしかない。
職人は自分が死んだら終わりだ。
工場は一人死んでも動き続ける。
今日、どちらを選ぶか悩んでいた人が
以前は中小人材紹介会社で職人見習いだったけど
若い内に一度は工場で働いてみようという選択をした。
そりゃそれでいい経験になるんじゃないかと思う。
同じ仕事を別の角度から見ると視野が広がる。
新天地でのご活躍をお祈り致します。
「七転八倒
つまづいたり
ころんだりするほうが
自然なんだな
人間だもの」 みつを
合掌。