「自社の強みを明言できますか?」
「御社の強みはなんですか?」
これは、お客様からよく聞かれますよね?
この質問に対して
全社員が同じように答えられる会社はどの程度あるでしょうか?
「当社は総合人材サービス会社ですから、何でもご依頼ください。」
今時こんな事を言う会社は恥ずかしいですね。
いつも思うのですが、この「総合人材サービス会社」って何ですかね?
これは自分で
「当社は何も得意なものがないので、とりあえず全部やってます。」
と言っているようなものだと思います。
お客様に全く響かないです。
お客様はそんな事を聞きたいのではなく
「当社は○○と●●は得意です。 逆にや△△や××は苦手です。」
と明確な答がほしいのです。
そうすると、お客様は会社の特徴を理解しやすく記憶にも残りますので、
「○○か●●の求人がある時には、あの会社に声をかけよう!!」
となります。
この 「自社の立ち位置、強みとして明言できる事」 を
未だに決めかねて右往左往している会社をよく見かけます。
当然ですが、特に規模が大きな会社ほど決めかねています。
苦手な事を捨てる、苦手な事をやらない、その決断ができていない会社です。
捨てるというのは、経営者にとって最も重要な仕事です。
ここで参考までに先人の知恵を拝借します。
「社長の決定で最も難しいのは、『捨て去る』 という決定である。」 一倉 定
・私のコンサルティングのうちで、最も難しく、最も急ぐ事こそ「捨て去る」ことを
納得させることなのである。
私は、社長の決定のうちで、何が最も大切で、何が最も難しいか、という問いに対して、
躊躇することなく「捨て去る」ことであると答えるのである。
論より証拠、優秀会社は例外なく「捨てる名人」であり、破綻した会社は例外なく
「切捨音痴」である。
なぜ、この「捨て去る」決断ができないか?
理由は大きく三つあります。
1 苦手な事を捨てる勇気が無い。欲張り過ぎる。
2 客観的な自社のSWOT分析ができていない。市場の声(お客様や競合会社)を聞いていない。
3 社員を信用していない。
上記1と2はともかく、3は問題ですね。
「昔、A君が担当していた時は○○は得意分野だったのに
B君が担当になってからは得意分野じゃなくなったね。
別のコンサルタントに代えた方がいいんじゃない?」
犯人探しみたいな話です。
これが社員に伝わると経営不信につながって
組織全体のモチベーションが下がります。
経営者がB君に任せたんですから
人事の結果責任はその権限を行使した経営者が負うべきです。
「日本人はすぐに責任、責任と言って卑屈になる」
などと言われますが、
「家臣が起こした事でも潔く自分の責任として腹を切る」
というのが武士道であり
その精神が忘れ去られようとしている今こそ
我々が取り戻すべき心だと思います。
「自分が自分にならないで
だれが自分になる」 みつを
合掌。