「バイリンガル、バイカルチャー、バイタリティーの時代?」
「日本におけるMBAの評価は?」
以前、「ビジネスウイーク」誌に下記のような記事が掲載されていました。
MBA取得者が日本でも厚遇される時代が来る?
日本企業のビジネススクール評価に変化の兆し
(記事概略)
日本では米国ほどMBAが厚遇されていないが、今後どうなるだろうか?
20年前は主として米国に海外留学するしかなかった。
しかし、日本ではビジネススクール開設ブームで、この5年間で多くの大学で
MBAコースが設けられ55大学にも拡大した。
しかし、日本企業では、MBAホルダーが重用視されているとは言い難い。
むしろ、MBAホルダーよりも大学新卒者を採用し、
望むタイプの幹部候補生に育てたいと考えている。
MBAを取得したからといって早く昇進したり、昇給を得られたりするわけではない。
この状況では、MBA取得後、社員が不満を覚え、
新たなやりがいを求めて退社してしまうのも無理はないだろう。
また、MBAホルダーが経営者を務める米国企業が世界不況を巻き起こした、
という厳しい批判もある。
しかし、今後の見通しは悲観的な材料ばかりではない。
グロービス経営大学院は学生の満足度が非常に高く、
堀学長は日本と世界の商習慣の違いを考慮し、
日本の事情に適応した講座を提供していけば活路は見いだせると考えている。
グロービス経営大学院は、ビジネスリーダーとしての精神面の育成も重視している。
将来の幹部候補生が「論語」を学ぶ講座もその一例だ。
「成功する経営幹部は皆、人望が厚く、人間としての魅力に富んでいるが、
米国のスクールではそういった点がなおざりにされている」と堀学長は指摘する。
日本企業の生産や販売も国際化している。
今後は、いや応なくコミュニケーション能力を高める方法を国内で見いださなければならなくなる。
ビジネススクールが日本の工場やオフィスで蓄積したノウハウを体系化し、
海外に発信する手段を提供するのに役立つ媒体としての役割を果たせるかもしれない。
また、MBAの取得が米国ほど報われることはなくとも、
今後は日本でもMBA取得者の境遇が改善する可能性もある。
トヨタの豊田章男社長がMBA保有者だということは、明るい兆しと言えるだろう。
日本で初めてMBA取得コースを開設した慶大のビジネススクール校長を務める
池尾恭一教授は、
「米国に比べ、日本の経済界ではMBAは普及していない。
経営大学院の教育と研究活動が企業の発展にとって有益であることを、
絶えず示していく必要がある」
と述べている。
上記のような日本におけるMBAの評価に関する記事なのです。
私は、MBAホルダーを素直に尊敬します。
自分を高める為に、米国留学にしろ、国内で勤務しながらにしろ、
貴重な時間とお金を費やして勉強する、
新たな環境で刺激的な出逢いの場を求める、
それだけでも立派だと思います。
昔、米国ビジネススクールでMBA取得予定の人たちを専門に紹介する仕事をしていました。
その時に、彼ら彼女らから聞いた勉強の大変さは相当なものでした。
「講義の準備で、あまり睡眠も取れない。」 という話をされていました。
私のような怠け者には、絶対に耐えられないハードワークが続く日々です。
心身ともにタフでなければ乗り越えられません。
それを乗り越えられる人ならば、ハードな仕事も乗り越えられるだろうし、
異文化に対する理解もあるだろうから、国際的な舞台でも活躍できると思います。
自ら厳しい環境に身を置き、高いハードルを越える。
MBAに限らず、そのような経験をした人は、
単純に立派で大きな可能性を持っていると思います。
バイリンガル、バイカルチャー、バイタリティーの時代です。
「生きているうち
はたらけるうち
日のくれぬうち」 みつを
合掌。