「入社3ヶ月のキャンディデートとの会食」
弊社を通じて入社された方々とは
ちょくちょく会食して近況を伺う機会を持つようにしています。
ご本人のコンディションもわかりますし
入社された求人企業(クライアント)の実態状況もわかりますので
大変有意義な機会です。
先日も入社されて3ヶ月になるAさんと会食させていただきました。
Aさんと同じ求人企業(クライアント)には
既に複数の方々にご入社いただいております。
比較的ハードマネジメントの会社なので
大変順調な方もいらっしゃる反面
残念ながら既に退職してしまった方もいらっしゃいます。
ですから、会食する前は期待と不安が半々でした。
「Aさんは新しい職場にうまく馴染めているかな?
想像していた以上に大変だーとか思ってないかな?
大丈夫だといいけどな。」
こんな事を思いながら
Aさんと待ち合わせしているレストランに向います。
レストランには先に到着したので
「ぐるなび」でサービスのスプマンテを
飲みながら待っていました。
待ち合わせより10分ぐらい過ぎて
慌ててAさんが駆け込んで来ました。
Aさん:「遅くなりまして済みません!!
ちょっとクライアントから緊急の電話が入りまして。」
私:「私よりお忙しいでしょうから気にしないでください。
お先に失礼して一杯飲んでいましたよ。
逆にこんなに早い待ち合わせ時間で良かったんですか?」
Aさん:「は、はい。
大丈夫です。
時間はある程度自分でコントロールできますから。
残業規制もありますし。」
私:「残業規制は厳しく徹底されているんですか?」
Aさん:「そうですねー。
長時間労働が目立つグループや社員には個別に指導が入りますね。」
私:「でも、この仕事はやろうと思うと切りが無いから
短時間で効率的に働く方が長続きしますよ。
私なんか独立してから1日9時間程度しか働きませんから
もう組織には戻れませんよ。
Aさんはタフだから、もっと働きたいんじゃないですか?」
Aさん:「そうですねー。
労働時間は気にしませんけど
いきなりプレイングマネージャーみたいな仕事を任されているので
自分の業績を上げる仕事とメンバーを指導する仕事との
バランスを取るのが大事ですね。」
私:「何人のメンバーを指導しているんですか?」
Aさん:「5人です。」
私:「その5人はどれぐらいのキャリアですか?」
Aさん:「1人以外は新卒です。
その1人も2年目です。」
私:「それは大変ですね。
手取り足取りでしょう?」
Aさん:「でも、新卒はかわいいです。
素直だし吸収力もありますし教えがいがあります。」
私:「それは良かったです。
あまり周囲に若い人やキャリアの浅い人ばかりだと
自分の仕事に集中できないし
仕事のクォリティーが下がるから嫌だという人もいますけど。」
Aさん:「私の場合は前の会社でも新卒採用してましたし
教えるのも好きなので楽しくやってます。」
私:「さすがAさんですね!!
環境適応力が高いですね。」
Aさん:「いやー、自分の業績が上がっていないので焦ってますよ。
他人を教える前に自分の業績を上げないと。
今月は多分確実に上げられると思うんですが。」
私:「でも、Aさんなら時間の問題でしょう。
この仕事の勘どころもわかってるし。」
Aさん:「そうですね。
やり方次第でもっと上げられると思います。
自分もグループも。」
私:「具体的にどこを改善すればいいと思いますか?」
Aさん:「もっとグループの枠を越えた連携を強くすれば
お互いに機会損失が減って
もっと業績が上がると思います。
そう思ったので他のグループや他の支社に働きかけて
自分のグループの求人を知ってもらって
紹介を増やすようにPRしてます。」
私:「さすがですね!!
なかなか入社後わずか2~3ヶ月で
そこまで他のグループに働きかけられる人はいませんよ。」
Aさん:「自分や自分のグループが得するだけじゃなくて
他のグループも苦しんでいるので
お互いに得すると思うんですよ。
特に最近、金融グループなどは困っているので
お互いに協力できたらいいなーと思います。」
私:「まさにその通りですね!!
コラボでシナジー。
ところでAさん、社風には慣れましたか?」
Aさん:「そうですね。
前の会社が小さかったので
久しぶりの大組織でおもしろいですね。」
私:「どこがおもしろいんですか?」
Aさん:「いやー、社内政治とかパワーゲームみたいなのを見ていると
久しぶりで新鮮ですよ。」
私:「そんなの社内であるんですか?」
Aさん:「いやー、若いのに社内政治とかパワーゲームにやたら詳しいメンバーがいて
『BさんとCさんは仲がいいけど、Dさんとは良くないらしいですよ。』 とか、
『次に部長になるのは、Eさんが最有力ですよ。』 とか、
私にいちいち教えてくれるんですよ。」
私:「笑っちゃいますね。
どこの組織にも政治とかパワーゲームが好きな奴がいますよね。」
Aさん:「はい。笑えますね。
でも、それも含めて楽しんでます。」
私:「さすがですね!!
何でも楽しめるんですね!!
これからはAさんみたいなポジティブな人じゃないと生きていけないですね。」
Aさんって素晴らしいでしょう?
どんな環境でも自分次第だと思って主体的に生きています。
自責の人です。
励ますつもりが、逆にが励まされました。
現在の人材紹介会社はどの会社に入社しても
指示待ちでなく自律的に働き
自分から周囲に働きかけなければなりません。
これだけ同業者が急増して競争が激化していますので
10年・20年前のようにマイペースで働ける状況ではありません。
歴史も浅い会社が多く業界を取り巻く環境変化も激しいので
経営方針も朝令暮改は当り前です。
だからこそ、Aさんのように変化を楽しめるフレキシビリティーが不可欠ですね。
「しあわせはいつも
自分のこころが
きめる」 みつを
合掌。