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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「ちゃんと定性評価してますか?」

「ちゃんと定性評価してますか?」

人材紹介会社は営業会社ですから

当然結果を出さなければいけません。

従って、売上(粗利益)目標を達成するために

また、より多くの売上(粗利益)を上げるために

人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)は頑張っています。

一方で

業績ばかりが重視され

定量評価に偏りすぎているという特色があるのではないしょうか?

定量評価はするけれど定性評価を軽視する傾向はないでしょうか?

「定量評価=人材コンサルタントの年収」 

という傾向が強くなりすぎると

売れるコンサルタントほど、より年収の高い人材紹介会社に転職します。

実力主義の給与制度は良いのですが

「お金でコンサルタントが動く」 という構図が広がりすぎていて

その構図がこの業界を薄っぺらいものにしている一因だと考えています。

定量評価しかしない会社は

「お金の切れ目が縁の切れ目」 ですから

概ね社員のロイヤリティーが低く定着率も悪いです。

その点、業界のトップランナーであるリクルートやインテリジェンスは

お金だけで転職する社員は非常に少ないと感じています。

定量評価だけでなく定性評価にも大きなウエイトを置いた人事制度を採用しています。

経営理念やビジョンに従って

会社として社員にどのようなビジネスパーソンであってほしいかという要望を示し

それを具体化したものが定性評価の目標に掲げられます。

定量評価の目標も定性評価の目標も

マネージャーと社員が個別に話し合い半年ごとに設定し

その結果を個別にフィードバックして

次の半年間の給与やボーナスの金額や昇格が決まります。

例えば、定性評価の例を挙げますと、下記のような目標です。

・グループの課題を解決する提案をして、自ら行動を起こして組織を活性化させよう。

・今後伸びそうな新市場を開拓するチャレンジをして、何らかの足掛かりを作ろう。

・最近不調で悩んでいるAさんとBさんに積極的に関わって、二人を復調させよう。

上記のような定性目標をクリアしたら

次はもっと難しい目標が設定され

それをクリアして行くとマネージャーに近づきます。

人材コンサルタントとして幾ら売れても

定性評価が低い人は昇進できません。

定性評価の高い人をマネージャーに抜擢する方が成功します。

定量評価しかしないのであれば

売上の多い人から順番に良い点を付けて

インセンティブボーナスをばらまけばいいので

マネージャーは不要です。

定量評価だけならフルコミの会社と本質は変わらないという事です。

ただ、定性評価は難しいです。

会社の経営理念やビジョンが明確で

多くの社員がそれに賛同していないと

方向がバラバラの目標設定になってしまいます。

また、日常からマネージャーが余程メンバーに関心を持って見ていなければ

ピントはずれな目標設定になってしまいます。

更に、マネージャー一人では限界があるので

部長、同じグループの先輩・同僚・後輩・アシスタントなど

全ての人がお互いに関心を持ち

思った事や感じた事を言い合えるオープンな組織である必要もあります。

そんな組織でなければ定性目標を作ってもワークしません。

逆に言うと、定性評価を適性に運用できれば健全で強固な企業風土を醸成できます。

経営理念やビジョンは定性評価によってホンモノになり浸透します。

経営理念がホンモノになれば

社員の日常の言動レベルを押し上げチームワークを高め

業績も生産性も飛躍的に上がります。

社員の思いを一つにしてブレークスルーできます。

急成長していた時のリクルートやインテリジェンスはそんな会社だったと思います。

反対に定性評価をしないと社員に対する愛情が希薄になり

いつまでたっても組織が一つの方向にまとまりません。

永遠に 「金の切れ目が縁の切れ目」 で退職者が絶えない事になります。

定性評価というのは

単純に好き嫌いで社員を評価するものではありません。

マネージャーが好き嫌いでメンバーを評価すると

メンバーから痛いしっぺ返しをくらいます。

メンバーが不公正な評価に疑問を感じ

それを周囲のメンバーに相談したり

部長に直訴するという事も起きて

マネージャーが信頼されなくなり

やがて飛ばされます。

定性評価でメンバーの納得感を得るのは

マネージャーにとって腕の見せどころです。

理想論かもしれませんが

お互いがお互いを高め合う定性評価にこそKFSだと思います。

大変パワーがかかって面倒臭いと思う時もありましたが

それがマネージャーの仕事ですからね。

「急がば回れ」 「ローマは一日にして成らず」 

という事です。

大きな果実を得るには

強い組織風土を醸成する事が必要です。

「夢中で仕事をしているときは

 自分を忘れる

 自分を忘れているときの自分が

 本当の自分で

 一番充実して

 しあわせなときだ」                   みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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