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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「人材コンサルタントの採用基準が上がってきた」

「人材コンサルタントの採用基準が上がってきた」

人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の採用基準が着実に上がってきています。

私は8年前から

人材紹介会社に人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)をご紹介しています。

2006年からです。

2006年や2007年は人材紹介業の急成長期でした。

特に2007年の国内市場規模はピークで2500億円以上でした。

新規参入企業がどんどん増えて

許可事業所数も2万カ所に到達する勢いでした。

その急成長の中

人材紹介経験者は市場拡大とは相対的に大変少なく希少価値がありました。

完全に売り手市場でした。

経験者を募集してもほとんど採用できないので

多くの人材紹介会社は未経験者(新卒含む)を採用・教育する方針を選びました。

当時はリーマンショック前でしたし

「人材紹介業って急成長産業なんだよね?」

「転職を希望している人の相談に乗って企業に紹介するっておもしろそうだな」

このような未経験者が数多くいました。

当時は法人営業経験がある未経験者にスカウトメールを送信すると

平均50~60%の返信率がありました。

毎日2~4人は新規面談していました。

そして、人材紹介業の実態、やりがい、大変さなどを伝えると

多くの人が興味を持って応募してくれました。

クライアントである人材紹介会社も人柄やポテンシャル重視で積極的に採用してくれました。

あの時代に採用されて人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)になった人たちと

今でも交流があります。

皆さん、今ではコンサルタント歴が7年前後あるので

すっかりベテランです。

社長になった人もいます。

その後にリーマンショックが起きて

求人は激減し

この業界にもリストラの嵐が吹き荒れました。

リクルートキャリア(当時のリクルートエージェント)やインテリジェンス、JACなど

大手人材紹介会社のリストラばかりが注目されましたが

実態は中小の人材紹介会社の方が大変だったと思います。

リーマン前は10人以上のコンサルタントがいたのに

リーマン後は社長と専務だけになっていたなんて話はざらでした。

どこの会社も社員が大幅に減って家賃がもったいないので

オフィス移転の嵐でした。

このどん底の時期に少なくとも500社以上はつぶれたようです。

逆に踏みとどまった会社やコンサルタントは大変いい経験をしたと思います。

かなりタフになったと思います。

でも、1990年代のバブル崩壊の時の方がもっと大変でした。

不景気が大変長期化して

山一證券や北海道拓殖銀行など大きな金融機関がつぶれる事態にまでなりました。

金融機関の不良債権が多額であった事と

政府の処理の仕方が小出し小出しで長期化した事が大きな理由です。

お金が世の中に循環しなくなってしまいました。

リーマンショックはバブル崩壊期の反省からか

日本の過去の失策から世界各国が学習したからか

少なくとも日本の銀行の不良債権額も少なく処理も迅速に終わり

2010年1~2月から求人数がジリジリと増え始めました。

そして、早くも2010年の春以降

人材紹介業界にも薄日が差し始めました。

それから既に4年以上が経過して

今は再び2007年のピークに近づく勢いです。

しかし、この10~15年ぐらいで人材紹介経験者が大変増えました。

従って、2000年代のような希少価値はありません。

採用する人材紹介会社にとって重要なのは

「ただ経験があればいいというものではない。

 実際にいくら売れるコンサルタントなのかを聞きたい。」

という事になってしまったのです。

更に注文は多くなります。

「コンサルタントになってから各年いくら売ったのか?」

「得意な業界はあるのか?」

「クライアントのキーパーソンにコンタクトできるか?」

「どんなクライアントにどれぐらいのポジション(年収)の人材を紹介したのか?」

「クライアントとキャンディデートを持ってこれるのか?」

「素手で戦えるのか?」

「そんなんだったら独立するよ!!」 と言いたくなるでしょう?

人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)経験者が増えたために

本当に実力がある人しか採用されなくなったわけです。

私も毎日のように経験者にお会いしていますが

以前より経験者の決定率は落ちました。

昔なら喜んで採用してくれたクライアントも厳しくなりました。

一方、妥協して経験者を採用するより

優秀な未経験者(新卒含む)を採用して育てた方がいいというクライアントが

大変増えたと思います。

これはこれで良い傾向だと思います。

「未経験者を育てる」 という意識と行動は業界を着実に進化・安定させると思います。

未だに

「人材紹介業界は景気の影響を大きく受けるから怖いです。

更に社内での競争も厳しそうですね。」

という人がいます。

その気持ちはわかりますが

そのような安定日和見志向の人はこの業界には向きません。

「厳しい時は這ってでも自分の力で何とかする」

そんな自立した人を歓迎します。

「どろをかぶらずに

ほんものの仕事はできぬ」               みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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