ホーム > 社長ブログ > 「HIS澤田会長の経営手法は人材紹介会社にも応用できる」

社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「HIS澤田会長の経営手法は人材紹介会社にも応用できる」

「HIS澤田会長の経営手法は人材紹介会社にも応用できる」

日経ビジネスにおもしろい記事が載っていました。

HISの澤田会長の経営教室です。

「必要なのは諦めの美学」

JTBやANA、JALなど常に大手と戦ってきた。

成長が見込めるニッチ市場を見い出した後、どう育てるか?

ベンチャー企業は強いところに一点集中する割り切りが大事だ。

・格安航空券販売を始めた時、大きな広告も出さず、メディアにも全く露出しなかった。

 目立てば大手が参入してくる。そうなると勝てるわけがない。

・メディアに出始めたのは、販売シェアで上位になった7年目から。

 競合から露骨な嫌がらせを受けたが、その時にはHISにも十分な体力がついていた。

●「絞る」「捨てる」「手を掛ける」が吉

・ニッチだけどいずれはマスになる。大手と戦うベンチャー企業は、

 こういう市場を見つけるべき。

・成長市場だとわかると、すぐに大手が参入してくるので、

 体力がつくまで「目立たない」のが一番。

・あとは、諦めること。勝てるところだけに集中して、それ以外は潔く諦める。

・格安航空券販売を始めた当初もターゲットを学生に絞った。

 理由は二つ。

 ①学生は時間に余裕があって、非需要期を選べるので、安い航空券を手配しやすい。

 ②広告コストをかけなくても、口コミが広がりやすい。

・事業内容も大手にできない事に絞り込んだ。

 学生に人気だったインド行きのチケットの値段を下げるためにタイ経由にして

 より安い航空券を手配した。

 大手はこんな手間のかかることはやらない。

・海外ツアー販売をスタートした時も狙ったのはニッチ市場。

 大手はハワイ団体旅行が主だったが、個人旅行でインドや中国など新興国。

 ターゲットは学生。

 当時、中国への渡航が制限されていたので、香港から列車で入るルートを

 見つけて企画した。

 大手はこんな面倒なことはやらない。

●ヅカ出身者を集めて歌劇団も結成

・2010年に買収し立て直したハウステンボスでも諦める経営が活かされている。

・関東などから来る観光客を思い切って諦め、九州に絞り込んだ。

・長崎・佐世保・福岡まで含めて約250万人。

 東京ディズニーリゾートの10分の1の市場規模だと割り切った。

・商圏の設定が変われば、開催するイベント内容も変わる。

 2014年には、宝塚歌劇団ならぬハウステンボス歌劇団を立ち上げ、

 1日数回ショーを開催し、平日でも立ち見客が出るほど好評。

 九州には宝塚歌劇団は来ないから、集客ツールになる。

・もう一つ捨てたのが、オランダらしさへのこだわり。

 今は10万円で本物のオランダに行ける。日本でいくらオランダらしさを追求しても

 本場にはかなわない。

・花もオランダと関係があるバラやチューリップなどに限定していたが、

 今では芝桜やアジサイと、オランダとは縁のない植物も植えている。

●ポン引きに間違えられるのでは?

・「目立たない」「諦める」に加えて最後の作法は、他人の力を利用する事。

・ドイツ留学していた時、日本人旅行者相手に通訳のアルバイトをしていた。

 「夜遊びに行くところを教えてほしい」とよく頼まれていた。

 そこで、日本人向けに日本語ツアーを企画した。

 レストランなどと交渉して、たくさん日本人を連れてくる代わりに、

 値引きしてもらうようにした。

 男性向け、女性向け、年配者向けといったふうにお客さんに応じて

 ツアーを考えた。

・しかし、「若造の僕がパンフレットを配っても、ポン引きと間違えられて、

 たくさんの人には参加してもらえないんじゃないか」と考えた。

 そこで、ホテルのフロント係に勧誘してもらう作戦を考えた。

 ホテルのフロント係なら信用してもらえる。

 フロント係には、ツアー料金の10%を支払うことにした。

 「これはいい小遣い稼ぎになるぞ」と、フロントの仕事そっちのけで、

 日本人を見たらパンフレットを渡しに行くようになった。

 

・相手にもメリットがある仕組みを作ることで周りを巻き込むという手法は、

 その後のビジネスの原点になっている。

・格安航空券販売では、大手に随分邪魔されたが、結局取引は続いた。

 HISと付き合えば、閑散期でもチケットを売りさばいてくれるという

 メリットがあるからだ。

●1円も払わずに観覧車を設置

・ハウステンボスでも、イベントの共同企画やスポンサーという形で他社を巻き込んだ。

 HISが買収するまで一度もなかった手法だ。

・例えば、人気のお化け屋敷は、フジテレビとの共同開発。

 大型ディスプレーを使ったアトラクションは、シャープとの共催。

 園内の観覧車建設に至っては、1円も払っていない。

 ある企業が8億円かけて建設してくれた。

・他社を巻き込めば利益は半分になるが、リスクやコストも少なくて済む。

・今回は、ベンチャー企業が大手に勝つ秘訣を見てきたが、

 次回は証券会社やハウステンボスのM&Aから学んだ、

 再生型買収を成功させるための秘訣を話す。

率直に凄い経営手腕ですね。

異業界ですが、人材紹介業にも十分応用できる経営手法だと思います。

「絞る」「捨てる」「手を掛ける」「他人の力を借りる」

簡単なようですが実際にやり切るのが凄いですね。

それでは皆さん、良い連休をお過ごしください。

「その時どう動く」                        みつを

合掌。

記事の一覧に戻る

コンサルタントによる転職相談
ご登録はこちら

プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

カテゴリー

アーカイブ

このページのトップへ