「責任者を入れ替えても人材紹介事業は立ち上がらない」
責任者とは
事業がうまく行かなかった時に
「こいつが責任者だから、こいつの責任です」
と言われて切られるための役割ですかね。
それは覚悟しておかないといけませんね。
人材紹介事業には
うまく行かない代表的な組み合わせがあります。
1 人材派遣会社の人材紹介事業
2 転職サイト(求人広告)会社の人材紹介事業
3 資本系人材会社の人材紹介事業
例えば、上記の三つの組み合わせです。
どうですか?
周囲を見渡してください。
上記1の組み合わせで
うまく行っているのは
パソナキャリアカンパニーぐらいじゃないですか?
上記2の組み合わせで
まずまずうまく行ってるのは
キャリアデザインセンターぐらいですかね?
上記3の組み合わせでは
昔はキャプランが頑張っていましたが
今はパソナに買収されました。
資本系人材会社の多くが切り売りされてしまいました。
このような事例のように
元々何か他の事業が本業である会社が
人材紹介事業を立ち上げ軌道に乗せた
成功事例はほとんど存在しません。
人材紹介会社からスカウトした人材を事業部長に据えて
色々やらせてみても
会社の主軸はあくまで本業であり
その本業の力学やセオリーに引っ張られてしまって
人材紹介事業の責任者には大きな権限などありません。
実権を掌握するサラリーマンCEOは
「やれって言われるからやってるふりはするけど
人材紹介事業の詳しい事はわからないし
それを深く知るつもりもない。
とにかく求人と求職者を集めて
マッチングすれば決まる利益率の高い事業だろう。
でもお金はそんなに投資できないよ。
僕の評価が落ちるからね。
そこんとこよろしく」
のように思っている人が多いです。
このように無責任に考えているので
うまく行かなくなったら
「人材紹介事業の責任者が悪い」
という結論になり
責任者が入れ替えられるだけで前進しないという結果を繰り返します。
従って、結論は二つしかありません。
A:人材紹介事業には手を出さない。
B:既に軌道に乗っている人材紹介会社を買収する。
上記Bを選択して成功している代表例が下記の二つです。
1 インテリジェンスを買収したテンプスタッフ
2 ウォールストリートアソシエイツ(現:エンワールド・ジャパン)を買収したエン・ジャパン
インテリジェンスやウォールストリートのような良い会社はめったに見つからないでしょうが
よくわからない人材紹介事業を立ち上げようと
こねくり回しても時間とお金の無駄です。
その意味で良い会社があれば買収するというのは割り切った早道です。
問題は買収後のマネジメントです。
本業とは違う事業なのですから
買収した会社のマネジメントに干渉しない事です。
下手に干渉して
優秀なコンサルタントが一斉に辞めてしまったら
買収した意味がありません。
テンプスタッフもエン・ジャパンも
必要以上に干渉していないように見えます。
それでいいと思います。
私は人材紹介業が本業ではない会社を
登録者にご紹介する事は非常に少ないです。
ご紹介する場合は
その登録者に他の選択肢が無い場合
もしくは、組織の中でも上手に立ちまわれそうな登録者だけです。
自分の過去の失敗例から難しい事は嫌と言うほどわかってます。
これから人材紹介事業をやってみたいと思われる皆さん
できるだけ人材紹介事業を本業とする会社を選んでください。
そこで人材紹介業に本気に取り組む経営者や上司、先輩、同僚と
一緒に仕事をしてください。
「いちずに一本道
いちずに一ツ事」 みつを
合掌。