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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「小手先の面接対策は意味が無い」

「小手先の面接対策は意味が無い」

先週に続き面接対策の話です。

現役人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)のAさんの面接対策での話です。

Aさんとの初回面談の際にこんな会話がありました。

私:「Aさんは実績も根性もありますから

   合格する可能性がある会社は複数あります。」

Aさん:「そうですかね?

     私を採用していただける人材紹介会社なんか

     あまりないと思っています。」

私:「え? どうしてですか?」

Aさん:「だって私なんかとてもとても。

     身の丈に合った会社でいいんです。

     そういう会社があればご紹介ください。」

私:「そんなに謙虚になる必要はありませんよ。

   自信を持って応募しましょう。

   まずは、この3社はいかがでしょうか?」

Aさん:「えー、そんな立派な会社はとてもとても。

     応募させていただくのも失礼になると思います。

     武谷(たけや)さんにご迷惑がかかりますから

     申し訳ないです。」

私:「何を言ってるんですか?

   可能性が無ければご紹介しませんよ。

   とにかくちゃんと検討してみてください。」

Aさん:「わかりました。

     そこまでお薦めいただけるのでしたら検討してみます。」

こんな感じでお帰りになりました。

しかし、その後しばらく返事がありませんでしたので

「その後、お元気ですか? ご検討いただけましたか?」

というメールをお送りしました。

Aさん:「返事が遅くなって大変申し訳ございません。

     クイックレスポンスを信条としている

     人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)として恥ずかしいです。

     そこまで押していただけるのであれば応募させていただきます。」

私:「わかりました。

   すぐに推薦させていただきます。」

という事でご紹介したところ

すぐに3社から面接したいとの返事がありました。

そして、その内の1社の面接日時が決まりましたので

面接対策の時間を設けさせていただきました。

ここからは電話での会話です。

私:「それでは面接対策シートに沿って始めます。

   宜しくお願い致します。」

Aさん:「事前に色々考えたり調べたりしたんですが

     自分の事となると難しいですね。

     何が何だかわからなくなってきました。」

私:「混乱させて済みません。

   実際の面接はAさんが想像しているよりもシンプルなものですから

   安心してください。」

Aさん:「本当ですか?

     質問に対する回答は何が正解なのか難しいですね。」

私:「正解なんてありませんよ。

   言ってはいけない事はありますよ。

   でも面接に正解なんてないんです。」

Aさん:「正解がないとはどういう事でしょうか?」

私:「面接ではいかにAさんらしい回答をするかです。

   Aさんらしい回答、Aさんの強みを活かした回答をすればいいんです。」

Aさん:「素の私らしい回答で大丈夫なんですか?」

私:「はい、それが一番です。

   だから正解なんてありません。」

Aさん:「えー、そんな事言われると益々混乱します。」

私:「そうですか?

   それでは、Aさんの強みは何ですか?」

Aさん:「どんな苦しい時でもコツコツ頑張れる事ですかね?

     あとは自分より仲間のために頑張れる協調性ですかね?」

私:「ほー、それだけでも凄いじゃないですか!!」

Aさん:「そうですか?」

私:「少なくとも私は自分より仲間のためになんか頑張れませんよ。

   そんな事はできません。

   Aさんは本当にできるんですか?」

Aさん:「はい。

     自分の目標よりチームの目標を達成する事にやりがいを感じますし

     そういう時の方が自分の業績も他のメンバーの業績もいいです。」

私:「過去にそういう事例があったんですか?」

私:「はい。

   私の目標は一応ありましたが

   チーム目標の方が重視された事がありました。

   その時が自分もチームも一番業績が良かったです。

   すごく楽しくて充実していました。」

私:「偉いですね。

   その成功体験を面接で話せば合格しますよ。」

Aさん:「そんな話で合格できるんですか?」

私:「だって、自分とチームの業績を同時に最大にできた実績があるんでしょう?

   それこそがAさんの強みじゃないですか?

   自信持ってくださいよ。」

Aさん:「ありがとうございます。」

私:「ところでAさん、周囲の人から謙虚すぎるって言われませんか?」

Aさん:「え!!

     実はよく言われるんです。」

私:「Aさん、謙虚なのは立派です。

   それはAさんの素晴らしい人柄を象徴する立派な強みです。

   しかし、その裏側にAさんの弱みがあります。

   時々謙虚すぎて弱気に見える事です。」

Aさん:「それもよーく言われるんです。」

私:「だから謙虚になりすぎないで自信を持ってくださいよ。

   みんながAさんの良さを認めていますから。」

Aさん:「あーそうですね。

     そう言われたら少し気が楽になりました。」

私:「はい、是非いつものAさんで面接に臨んでください。

   そのままぶつかってください。

   私が今日伝えたかったのはそれだけです。」

Aさん:「ありがとうございます。

     そうですね。

     自然体でぶつかって駄目でも仕方ないですし

     難しく考えすぎてました。

     元気が出てきました。」

面接対策の目的は小手先のテクニックを教える事ではありません。

自分の頭と心を整理していただき

自分の事を再認識していただき

自分らしく面接に臨んでいただくためのものです。

「自分が自分にならないで

だれが自分になる」                      みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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