「どこの人材紹介会社でも同じ?」
先月相談にお越しになった人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の
Aさんはなかなか優秀な人です。
業績はしっかり上げていますし
マネジメントも経験しています。
良いと思った事は
上司にもしっかり意見具申してきました。
複数の人材紹介会社を経験されていますが
いずれも勢いのある急成長企業です。
しかし、売上や組織の拡大と共に
会社との間に距離を感じるようになりました。
会社が大きくなるのは良いのですが
Aさんは社員の成長を伴った売上拡大を果たしたいのです。
社員の頭数を増やして業績を伸ばすのではなく
社員のスキルアップやモチベーションを伴って
業績を伸ばしたいのです。
社員を甘やかすつもりは全くなく
むしろ厳しいマネジメントをして
社員を育成し戦力化と定着化を進め
筋肉質の精鋭集団にしたいのです。
しかし、会社はAさんが目指している方向と逆方向に進んでいるとの事です。
何度も意見具申してきましたが
残念ながら会社との距離は遠くなる一方なので
Aさんはついにあきらめて転職することにしました。
私:「Aさん、今後はどんな会社を希望しますか?」
Aさん:「やっぱり、社員のマネジメントや教育を重視している会社がいいです。」
私:「そうですね。
転職理由との一貫性がある希望条件だと思います。」
Aさん:「しかし、私が希望するような人材紹介会社はあるんでしょうか?
同じ業界だから結局どこも同じなんじゃないかと思うんですよ。」
私:「それはどうですかね?
私はどこも同じだとは思いません。」
Aさん:「何が違うんですか?」
私:「社長が違います。」
Aさん:「どう違うんですか?」
私:「大袈裟に言えば
人材紹介業を単にお金儲けの手段の一つと考えているか?
人材紹介業は確かにビジネスではあるけれども
この事業を通じて何らか社会に貢献したいという明確な志を持っているか?
社長によって大きな温度差があります。」
Aさん:「私はそんな社長に会った事がないので正直わかりません。
自分の会社の事しかわかりません。」
私:「それは無理もない話です。
そんな人のために私がいます。
では、私が尊敬する社長を幾人かAさんに紹介します。」
Aさん:「例えば、どんな会社があるんですか?」
私:「例えば、B社とかC社があります。
どちらの社長も私よりずっと年下ですが尊敬できる人です。
自ら本気で人材紹介業に取り組んでいます。
サービスの質を伴って実のある拡大経営を実践しています。
だから、情熱があってレベルの高い社員が集まり社長に着いていくんですよ。
その結果、お客様の評判も良いのです。
あちらこちらで良い評判を聞きます。」
Aさん:「そんな会社があるんですか?」
私:「社長や社員の方に会えばすぐにわかりますよ。
自ら紹介したキャンディデートが内定しそうになっても
やっぱりこの人は適格者ではないと思ったら
クライアントに内定は出さないでくださいと言ったりするんですよ。」
Aさん:「えー、そんな会社あるんですか?」
私:「B社のあるクライアントは、当社に直接応募しないで事前にB社に登録して
当社に向いているか適性を診断してもらった上で応募してくださいと
アナウンスしています。」
Aさん:「そんな人材紹介会社があるんですか?
わかりました。
検討しますので少しお時間をください。」
Aさんが思っているほど捨てたもんじゃないですよ。
いつか、やっぱりこの仕事を続けて良かったというAさんの笑顔が見たいです。
「生きていて
よかった
生かされてきて
よかった
あなたに
めぐり逢えたから」 みつを
合掌。