「良心的な凄腕リサーチャー」
毎日30人の名前・役職・連絡先を洗い出し5人とアポイントを取るという
凄腕リサーチャーAさんがお越しになりました。
バイリンガルで外資系サーチファームに在籍され
コンサルタントに昇格されご活躍中なのですが
Aさん:「私はリサーチが得意で大好きなんですよ。」
という興味深い方でした。
現状は色々な問題があるようです。
Aさん:「日本の代表者としてHQから来ている外国人が
働かないくせに高給取りで口うるさいんですよね。」
私:「それはやりにくいですね。」
Aさん:「良いクライアントは外国人コンサルタントが抱え込んでしまって
私は離職率が高く評判の悪い会社を無理に開拓させられているんです。」
私:「それは気が進みませんね。」
Aさん:「キャンディデートに2社からオファーが出た時は
評判が悪くても年収(FEE)が高いクライアントの方に入社させなければ
外国人上司に怒られるんです。」
私:「キャンディデートの意思を尊重しないんですか?」
Aさん:「そうなんです。
だからコンサルタントの仕事は気が重いんですよ。
リサーチまでは他人を傷つけないから楽しいのですが
コンサルタントはクロージングさせられるから気が重いんです。
こんな仕事をやっていていいのかな?と思っていたところ
友人の人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)から聞いて
武谷(たけや)さんのブログを読んだんです。」
私:「ありがとうございます。」
Aさん:「『クライアントもキャンディデートも良いお客さんを選べ』 とか
『転職者の痛みを知れ』 とか書いてあったので
すごく共感してとにかく会いたいと思って来ました。」
私:「なるほど、それはありがとうございます。」
Aさん:「私、もうすぐ子供ができるんですよ。
だからもう少しまともな仕事がしたいと思います。
他人の人生を狂わすような仕事をしているなんて
子供には言えません。」
私:「そうですね。」
Aさん:「ですから、やっぱりリサーチの仕事に戻って
リサーチのスペシャリストとして頑張ります。」
私:「そうですか?
コンサルタントから降りるのはもったいない気もしますが
Aさんが好きならそれがいいかもしれませんね。」
Aさん:「ありがとうございます。
もっと倫理観の高いサーチファームで頑張ります。」
私:「私も応援しています。」
Aさん:「今日は大変ありがとうございました。
今後とも宜しくお願い致します。」
良心と葛藤しながら我慢して働いていたんですね。
自分で自分を傷つけないようにしてください。
Aさんらしく伸び伸び働ける新天地でのご活躍をお祈り致します。
「うばい合えば足らぬ
わけ合えばあまる
うばい合えば憎しみ
わけ合えば安らぎ」 みつを
合掌。