「レジェンドな店が閉店します」
和食屋さんと言いますか
居酒屋さんと言いますか
長年お世話になったお店が3月末で閉店します。
昔仲間から招集がありまして
「長い間お世話になりました会」
を開こうという事で先週の金曜日にそのお店に集いました。
あの店はいつからあるのか?
誰が開拓したのか?
いつから行くようになったのか?
何回行ったのか?
わかりませんが
いつも家庭的な美味しい料理と体の芯から暖まる日本酒で
一日の疲れを癒してくれる店です。
近くに職場があった時は
連日のように訪れ
あーでもない、こーでもないと
くだらない会話も少し真面目な会話もしました。
どこかの会社の偉い人もふらーと来て
カウンターで一人で飲んでいるような店です。
元上司が花や記念品を買ってきてくれたり
同期が大将と女将さんの似顔絵を娘さん(アーティスト)に書いてもらってきて
その裏にみんなで寄書をしたり
お店の人と家族のようなお付き合いをしているRちゃんが
いつものように段取り・お会計をしてくれたり
記念撮影をしたり
感謝の気持ちをお伝えしました。
私は職場が遠くなってから
めっきりお邪魔する事が少なくなり
年に数回
昔仲間の集まりの時に訪れる程度でした。
大将ともそんな深い話などした事がありません。
大将はこちらの事はお見通しだと思いますが
私は大将は紳士的で温かい人だという印象しか持っていませんでした。
金曜日、トイレに行って出てきたら丁度大将がいたので聞いてみました。
私:「大将はおいくつですか?」
大将:「昭和8年だよ。」
私:「えー!! 昭和8年?
私のオヤジが昭和12年なのに。」
大将:「そうだよ、81だよ。」
私:「81歳!!
その歳でこんなに元気なんですか?」
大将:「そうだよ。
あんたいくつ?」
私:「もう52歳ですよ。」
大将:「なにが 『もう52歳です』 だよ!!
全然これからじゃないか!!」
そんな会話をしながら大将の手を握りました。
私:「おー、やせてるのに手がごついですね!!」
大将:「当り前だよ!!」
ほんの短い時間でしたが
何か背中をポーンとたたかれた気がしました。
大病しても復帰して81歳で頑張っている人から見たら
私などなんと頼りない若輩者に見えることか。
「バカヤロー!!
前を向いてしっかり生きろ!!」
と最後に叱咤激励いただき
大将の人柄が少しわかった気がしました。
元上司が記念品をお渡した後
大将は奥で涙をこらえて仕事をしているように見えました。
お店の皆さん、長い間大変お世話になりました。
ありがとうございました。
大将、元気で長生きしてください。
「おかげさん」 みつを
合掌。