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「転職手段の中での人材紹介のシェアは?」

「転職手段の中での人材紹介のシェアは?」

2月15日(土)の日経新聞によると

2012年の転職入職率は常用雇用者の9%にあたる417万人。

「アベノミクス」による景気回復によって転職が増えたように思えますが

むしろ2005年をピークに低下傾向にあるそうです。

リクルートキャリアの広報担当の鶴巻さんが答えています。

「求人数はリーマンショック前の水準に戻ったのですが・・・・・。

以前はとにかく人手が欲しいという企業も多かったのですが、
最近は条件に合わなければ採らない企業が増えています。

営業で表彰されたとか、部下を何人抱えていたとか、

具体的な実績が必要です。
複数社からオファーがある少数の人とゼロの人たちに

二極化しています。」

私も同じような感覚です。

求人数は大変多く毎日のように

「いい人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)はいない?」

とお問い合わせいただきます。

しかし、採用スペックは高く妥協して採用する人材紹介会社は少ないです。

これは人材紹介業界に限った話ではなく

多くの業界に共通している現象だと思います。

人材紹介エージェントとしては厳しい状況ですが

まんざら悪い事ではないと考えています。

安易に数合わせの採用をされて

入社後に多くの退職者が出るよりもいいです。

数合わせ採用は企業にとっても転職者にとっても人材紹介会社にとっても

不幸な結果を生むと思います。

さて、このような状況で

417万人の転職手段の中で人材紹介会社経由のシェアはどれぐらいでしょうか?

結果は下記の通りです。

1 ハローワーク      29%

2 求人広告         27%

3 縁故            24%

4 前職からの出向等    4%

5 人材紹介会社 2%

*その他(学校など) 14%

人材紹介会社経由の転職はわずか2%です。

417万人の2%ですから、8万3000人ぐらいです。

転職市場におけるシェアとしては小さいですね。

ハローワークはともかく

今後は求人広告や縁故の市場をどれぐらい取り込めるかですね。

「求人広告より人材紹介会社の方がいい」

「縁故よりも人材紹介会社の方がいい」

求人企業からも転職者からも

そういう高い評価をされなければシェアは伸びません。

それでは、「いい」 の中身は何か?

求人企業にとっては 「採用した人材が戦力になってくれる」

転職者にとっては 「希望に近い環境で気持ちよく働ける」

という事でしょう。

要するに 「失敗の少ない採用」 「失敗の少ない転職」 

ポジティブな表現にすると 

「成功率の高い採用と転職が実現できる」

という事です。

これが我々の介在価値です。

クライアントにもキャンディデートにも成功していただく事です。

そのためには 「両者をよく知る」 という事が不可欠です。

そこまで知るのは大変です。

私も知ったつもりが深く知らない事や

事情が変わって旧い情報しか知らない事も多いです。

やはり、基本に戻って顧客接点を増やすしかありません。

「縁故」 に負けない情報を収集する事は容易ではありません。

最後に別の観点からの話です。

年収の30~35%を払って採用する人材層には限りがあります。

人口そのものが少ないのです。

シェアを伸ばすためには

求人広告の市場を獲る事が不可欠ですが

そのためには相当大胆なFEEの値下げが必要になります。

薄利多売の消耗戦になります。

そうするとシステム化や仕組み化を進めるしかありません。

人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の年収もダウンするでしょう。

余程の覚悟がなければ、この市場には踏み込めないと思います。

従って、人材紹介会社も二極分化します。

A:規模の拡大は追わず高付加価値領域で生き続ける。

B:「規模の拡大を優先して低付加価値領域に踏み込む。

おそらく、ブティック型人材紹介会社はAを選択し

大手人材紹介会社や人材派遣会社はBを選択することになるでしょう。

中途半端な選択をすると成功しないので

ここは重要な経営判断だと思います。

「その時  どう動く」                     みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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