「禅と経営」
昨年末の日経ビジネスの 「禅と経営」 という特集を興味深く読みました。
第一次政権の時とは別人のように溌剌としている安倍首相や
京セラの稲盛さん、スティーブ・ジョブズ、宮本武蔵、世阿弥、三遊亭圓朝、川上哲治
中曽根元首相など、様々な人に影響を与えた禅です。
「人間は誰しも何かを失う不安を持っている。
地位が高い人、多くを持つ人ほど不安が大きいのは自然なこと。
そうした負の思いを受け流したり、それに立ち向かう勇気をくれるのが
禅なのではないか」
「禅の修行では従来の価値観をいったん壊し、ゼロから出発する。
物事を考える際、自由な発想が生まれ、そこに無限に広がる可能性が出てくる」
「坐禅中に睡気や惰気を振り払うため、股に錐を刺したという話もある。
禅は自分との戦いであり、厳しい忍耐力と強い意志力が養われる」
社会人を対象にした坐禅会が盛況で
特に平日の出勤前や仕事終わりの遅い時間帯は
スーツ姿の男女で埋め尽くされるそうです。
禅の根本的な考え方である
「即今、当処、自己(今、ここで自分が生きることを大事にする)」
すなわち
先々を追いかけるのではなく
「日々の仕事にきちんと向き合うことが明日につながる」
という理念が
変化のスピードが速い現代社会を生きるビジネスパーソンの心をつかんでいるそうです。
私も過去にしばられ心が沈み込んでしまった時期に
「今に集中して生きる」
という書籍に巡り会い気持ちが前向きになりました。
助けを求めて何十冊も読み漁った中で
ようやくわかりやすく腹落ちする書籍でした。
たまたま外国人が書いたものでしたが
伝えたい真理は禅と似ているのではないかと思います。
日本オラクルの中にも茶室があったり
ニューヨークのビジネスパーソンの間で茶道への関心が高まっていたりするのも
不確実性が増す社会で
世界の多くの人々が確かな心のよりどころを求めている証でしょう。
みんな、悩みながら頑張っているんですよね。
もがき苦しみながら一つ一つの峠を越えて
人は人間的な深みや魅力を増して行くのでしょう。
「なやみはつきないな
生きているんだもの」 みつを
合掌。