「ミスマッチ失業、先進国で拡大?」
「ミスマッチ失業」 などと言う概念があるのでしょうか?
結論から申し上げると
そんなものは甘いと思います。
食っていくためには多少希望に合わない仕事でもして納税しないと社会人ではありません。
私には大きく幾つかの意見があります。
1 「やりたい仕事」より「できる仕事」を探す。
2 飼い殺しにされる前に転職して新天地で新たな文化とスキルを身につける。
2 「できない仕事」を探す場合は、事前に自分で新たなスキルを身につける努力をする。
3 政治や行政の援助をあてにしない。
厳しいかもしれませんが
政治や行政をあてにしても人生は好転しませんし、誰も助けてくれません。
自分を救うのは自分の決断力と行動力です。
そうしないと自分が死ぬ時に
「確かに自分の人生を生きた」
と言えるでしょうか?
下記、昨日の日経新聞夕刊トップ記事の抜粋と私見です。
「ミスマッチ失業 先進国で拡大」
(概略)
求職者と企業の求人希望がすれ違う「ミスマッチ失業」が世界で増えている。
経済協力開発機構(OECD)がまとめた2013年の推計値によると、
先進34カ国の平均は前年より0.17ポイント高い7.86%と6年連続で上昇した。
製造業が新興国に生産拠点を移したことやITで事務職の需要が細ったことが響いている。
各国の潜在的な経済成長力を押し下げる要因となっており、対応を急ぐ必要がある。
(ミスマッチ失業率とは?)
失業には循環的失業とミスマッチ失業があり、2つを合わせたものが完全失業率。
循環的失業は求人の増減によるもので、景気が悪くなると増え、景気が良くなると減る。
ミスマッチ失業は技能、経験、年齢などの条件で仕事を探す人と企業の希望が
かみ合わないことが原因で、景気が良くなっても改善しにくい。
経済の構造が変わるときは、衰退産業で人手が余っていても、成長産業では
企業が求める人材が足りず、ミスマッチ失業が増えやすい。
ミスマッチ失業を減らすには、職を探す人が新しい技能を身につける職業訓練や、
雇用の規制緩和で転職しやすくすることが必要になる。
(主要国のミスマッチ失業率)
・スペイン:21.36%
・ギリシャ:15.55%
・OECD平均:7.86%
・ドイツ:6.52%
・米国:6.10%
・日本:4.31%
(ユーロ圏10%台)
2013年にユーロ圏は10.1%と初めて10%台に乗った。
不動産バブルが崩壊したスペインは21.36%で2007年から7.86%上がった。
財政危機で公務員を削減したギリシャも15.55%と同4.73%上昇。
アイルランドやポルトガルも上昇が目立つ。
⇒観光地としては魅力がありますが、あまり働かない国と日本とを比べられても仕方ないです。
日本はバブルのような不動産や株など相場で儲けるような過ちを繰り返してはなりません。
(日本のミスマッチは?)
日本は人口の高齢化で若い人材を望む企業とのすれ違いが目立ち、
失業の大半がミスマッチで生まれている。
⇒だから、前述の私見で言っているのです。
「飼い殺しにされる前に転職して新天地で新たな文化とスキルを身につけなさい」と。
1社に長くしがみついていると転職しにくくなります。
(ミスマッチ失業は成長率を下げる)
ミスマッチ失業が増えると、本来働ける人がいつまでも働けず、
潜在的な成長率を押し下げる。
税金をほとんど払わない人に失業給付や生活保護を払うため、
財政面でも大きな負担になる。
(ミスマッチ失業率が改善した国)
ドイツは2007年と比べ1.14%低下した。
2000年代前半から生活保護の対象を絞り込んだほか、
解雇の規制も緩和。
業績が悪化したときに解雇ができるようになったことで、
企業はかえって正規雇用に積極的になった。
イスラエルも2.43%改善。
雇用の規制緩和に加えてIT産業が成長した。
国民皆兵制度のため、軍隊でIT技術を学び、除隊後に就職したり起業したりする流れが
定着している。
(今後)
規制緩和や職業訓練の強化が改善のカギになりそうだ。
⇒日本が参考にすべきは、ドイツとイスラエルぐらいですね。
とにかく、30~50年前の日本の高度成長やバブルは終わりました。
終身雇用も崩壊しました。
国内市場は停滞、むしろ縮小の時代です。
そんな環境下で生き残る道は大きく二つしかありません。
①国内市場でも必要とされる何かのスペシャリストになること。
②新興国に行って勝負すること。
日本人は根が真面目で勤勉です。
これが一番の財産でしょう。
「ろ・く・で・な・し」 ではなく 「お・も・て・な・し」 の精神もあります。
和食だけではなく、サービス業も輸出できるように頑張りましょう!!
「生きているうち
はたらけるうち
日のくれぬうち」 みつを
合掌。